アンコンシャスバイアスが中学校の道徳教科書に掲載
一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所が、令和7年度(2025年度)より中学校の道徳教科書に"アンコンシャスバイアス"が載ることを発表しました。これは、東京書籍株式会社の「新編 新しい道徳1(1学年用)」と、教育出版株式会社の「中学道徳2とびだそう未来へ(2学年用)」の2冊に採用されることが確認されています。
アンコンシャスバイアスとは、無意識に抱く思い込みや偏見を指します。これに気づくことで、よりよい人間関係を築き、ひいては社会全体のイノベーションやジェンダーギャップの解消にも寄与することが期待されています。
教育現場での取り組み
研究所は、2021年から全国50校以上の小中学校で「アンコンシャスバイアスに気づこう!」をテーマにした出張授業を実施しています。具体的には、道徳の授業だけでなく、総合的な学習の時間にSDGsやキャリアをテーマにした授業、さらには保護者を招いての授業も行ってきました。
今回の教科書掲載により、より多くの学生にこのテーマについての知識が得られる機会が増えることは、大変意義深いことです。特に、人間関係を豊かにするためのソーシャルスキルとして、アンコンシャスバイアスが位置づけられることから、教育課程の中での重要性がより一層高まるでしょう。
アンコンシャスバイアスの重要性
これまでの研究では、アンコンシャスバイアスに気づくことで、自分自身をより深く理解し、自己肯定感を向上させる効果があることが指摘されています。これにより、進路や進学などのキャリア形成にも良い影響を与えることが期待されます。また、個人だけでなく、集団においても多様なアイデアが生まれ、より開放的で創造的な社会を築く手助けとなります。
今後の展望
道徳の教科書にアンコンシャスバイアスが掲載されることは、教育界においても新たな潮流を生むことが予想されます。研究所は今後も出張授業、教員研修、保護者講演、各種イベントなどを通じて、アンコンシャスバイアスというテーマの認知を広めていく方針です。この流れが、教育現場や家庭においても広がり、一人ひとりの可能性を引き出すことにつながるでしょう。
一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所は、"アンコンシャスバイアスに気づくことで可能性が広がり、一人ひとりがイキイキする社会をめざす"というミッションのもと、国や教育機関、企業向けに研修や講演も行っており、これまでに10万人以上にその重要性を伝えています。
まとめ
令和7年度の中学校道徳教科書における"アンコンシャスバイアス"の掲載は、教育の現場に新たな価値を提供する試みとなります。教育の質を向上させるだけでなく、次世代の学生たちが、人間関係をより良くし、社会貢献する意識を育むことに寄与することが期待されます。最終的には、よりウェルビーイングな社会の実現につながることが目指されます。