沖縄県内14市町村が参加した生活習慣改善プロジェクトの成果
沖縄県は、全国で最もメタボ率が高い地域として知られていますが、生活習慣の改善を目指す新たなプロジェクトが注目を浴びています。今年の7月、東京大学発のヘルスケアスタートアップであるissin株式会社が、県内の14市町村と手を組み、住民を対象とした生活習慣の改善実証事業をスタートしました。この取り組みで、参加者の驚くべき95%が減量に成功し、最大で9.4kgの減量が達成されました。
参加自治体と対象者
今回の実証事業には、那覇市や沖縄市など14の市町村が参画。対象者は10代から70代までの172名で、特に特定保健指導を受ける方も含まれています。プログラムは2024年7月から2025年2月までの期間で行われ、各参加者の健康データをもとに個別の生活習慣改善プランが提案されました。
減量の成果と満足度
実施された生活習慣改善プログラムでは、次のような成果が得られました。
- 特定保健指導対象者は90.9%、生活習慣改善の対象者では96.0%に達しました。
- 特定保健指導対象者で-7.7kg、生活習慣改善では-9.4kgの減量が確認されました。
- 両グループともに平均-3.6kgを記録し、参加者の満足度も非常に高い結果となりました。
このように成果を上げた理由には、参加者たちが生活習慣の改善だけでなく、運動習慣の向上や腸内環境の改善、さらには飲酒頻度の減少にも成功したことが挙げられます。実際に多くの参加者からは、「便秘が解消された」「健康診断が楽になった」「年齢より若く見えるようになった」という声も寄せられています。
プログラム内容と支援技術
issinが開発したサービス「Smart Daily」は、主に体重測定機能を持つスマートバスマットを使用して、日常的な健康管理をサポートします。このスマートバスマットは、測定データをリアルタイムで管理栄養士や保健師に共有し、個別の生活習慣改善プランを提供する仕組みです。また、AIを活用した行動変容を促す“小さな習慣”の提案や、LINEを利用したリマインドシステムも組み込まれています。これにより、参加者が自発的に健康に気を配ることを助けます。
今後の展望
この実証事業は、沖縄県が抱える健康課題に対する新しい解決策を示しています。特に、自治体とスタートアップの連携によって、地域の特性に則した健康支援モデルの構築が期待されます。内閣府からの支援を受けたこの取り組みは、全国的な健康支援モデルとしての展開も視野に入れており、次回の合同報告会ではさらなる施策が検討される予定です。
実行したプログラムの詳細や成果の報告により、今後も多くの地域で同様の試みが行われることが期待されます。