大阪・関西万博のリユースパネルを使用した発電試験がスタート
DOWAエコシステム株式会社は、この度、大阪・関西万博で使用された太陽光パネルをリユースし、発電試験を開始しました。この試験は、太陽光パネルのリサイクルだけでなく、リユース事業への拡張を目指すものです。子会社の相双スマートエコカンパニー(相双SEC)がこの試験を通じて、発電プロセスを全うし、環境負荷を低減しつつ資源を有効活用することが期待されています。
発電試験の実施方法
発電試験は、以下のステップで行われています。
1.
使用済みパネルの撤去と運搬: DOWAエコシステムの関連会社であるジオテクノスが万博会場からパネルを撤去し、相双SECへ運搬します。
2.
リユース可否の検査: 相双SECでは、運搬されたパネルを受け取り、検査を行います。リユースが可能なパネルのみが試験に使用されます。
3.
パネルの設置と発電試験: 検査に通過したパネルは、相双SECの工場構内に設置され発電試験が実施されます。発電した電力は自家利用や売電に活用され、将来的にはグループ内での利用も検討されています。
4.
リサイクル: リユース不可能なパネルはリサイクルされ、貴重な金属が回収されます。
この実証試験には、大和ハウス工業の協力もあり、万博で実際に使用されたパネルが重要な役割を果たしています。また、株式会社UPDATERからも開発や施工管理のサポートを受け、福島県内の企業とも連携し複数ルートでのパネル調達を実現しています。
環境課題への取り組み
太陽光パネルの廃棄物問題は今後、特に2030年代に向かって深刻化することが予想されています。現在、使用済みのパネルは多くが海外に輸出されていますが、国内での有価金属の適切な再利用や有害物質の安全な処理が求められています。このような背景から、リユース・リサイクルのシステムを確立することが急務とされています。
福島県は、東日本大震災からの復興を目指し、新たな産業基盤の構築に取り組んでいます。相双SECがこのプロジェクトの一環として設立され、リサイクル事業に力を入れることで、地域の経済活性化と環境負荷の低減を目指しています。
今後の展望
DOWAエコシステムは、発電試験を通じて新品の太陽光パネルと比較し、リユースパネルの実用性を検証する予定です。また、パネルの製造年代や機種による検証を通じて、効率的なリユースを実現するためのデータを収集します。これによって、持続可能な社会の実現に向けたさらなる一歩を踏み出していくことが期待されています。
この取り組みは、環境問題に貢献し、リサイクルやリユースの重要性を広めるための新たなモデルとして、今後の展開に注目が集まります。