住友ゴム工業株式会社が、2025年3月4日から6日までドイツ・ハノーバーで開催された「Tire Technology Expo 2025」において、革新的な「アクティブトレッド技術」で「R&D Breakthrough of the Year」を受賞しました。この受賞は、同社が展開している持続可能なタイヤ技術の素晴らしい成果を示しています。
授賞式には、住友ゴムの材料開発本部材料企画部長である馬渕貴裕氏や、Sumitomo Rubber Europe GmbHのマネージングディレクターであるDr. Bernd Löwenhaupt氏、またジェネラルマネージャーの児島良治氏が出席しました。彼らは、大学や研究機関、そしてパートナーサプライヤーの支援を受けてアクティブトレッド技術の開発に成功したことを強調し、今後もR&D活動を加速させると共に、タイヤの製造数の減少や資源の節約に向けて持続可能な素材の採用を進めていくことを表明しました。
アクティブトレッド技術は、ゴムの中に二つの「スイッチ」を組み込むことで、路面状態に応じたポリマーの動きを制御する革新的な技術です。一つ目の「水スイッチ」は、ゴム内のポリマー間の結合を水で脱着可能な「イオン結合」に置き換え、ウェット路面でのグリップ性能を向上させます。二つ目の「温度スイッチ」は、高温になると分離する新素材を使用しており、低温でも柔軟性を持って氷上でも優れたグリップを発揮します。これまでのタイヤの常識を覆す点が、多くの注目を集めています。
この受賞は住友ゴムにとっても重要な成果となりました。なぜなら、同社は過去にも「Tire Technology International Awards」でさまざまな技術で受賞しており、今回で8度目の受賞となります。創業以来常に革新を求めてきた住友ゴムにとって、この技術は持続可能な社会の実現へ向けた一助となるものです。
また、住友ゴムは2023年3月に発表した独自のサーキュラーエコノミー構想「TOWANOWA」を通じて、アクティブトレッド技術の開発で得られたデータを活用し、さらなる高機能かつ高品質のタイヤ開発に努めています。この構想は、バリューチェーンの各プロセスを連携させ、新たな価値を創造することを目的としています。
最後に、住友ゴムはESG経営を推進し、2050年のカーボンニュートラルを目指しつつ、持続可能な社会の発展に貢献する姿勢を貫いていくことでしょう。今回の受賞は、その姿勢の現れであり、今後のさらなる技術革新が期待されます。