JR西日本とソマノベースによる新しい環境保全の取り組み
JR西日本は、株式会社ソマノベースと手を組み、特急列車「くろしお」の停車駅での植林用苗木の育成をスタートしました。このプロジェクトは、和歌山県の自然を活かし、地域の森林保全に寄与することを目指しています。
植林用苗木の育成
この取り組みは、JR西日本が組織を挙げて進めている「ゼロカーボン2050」に向けた具体的な一歩と言えるでしょう。今回、育成する苗木は合計432本で、和歌山、海南、御坊、紀伊田辺、白浜、串本、紀伊勝浦、新宮の特急「くろしお」が停車する8つの駅で育てられます。この苗木は約1〜2年後に和歌山県内の山林に植林される予定です。
駅の改札近くや駅構内に設置された戻り苗は、利用客に楽しみと清新な緑を提供しています。また、育苗スペースにはJR西日本の環境への取り組みを伝えるポスターが掲示されており、地域の人々に植林の意義を周知しています。
ポスターには「100年後に和歌山の森になる木、一緒に見守ってください」というメッセージが記載。これは、単に苗木を育てるだけでなく、それが未来の環境へ寄与することをインスパイアする内容です。特急「くろしお」を利用する皆様に、日常の中で森林保全の大切さを伝える場としても機能しています。
駅員の参加と育苗の楽しさ
駅員たちには苗木の育成に関するレクチャーが行われており、多くの駅員がそのプロセスを楽しみにしています。「どんぐりから芽が出てくるのが楽しみ」と言う声も聞こえ、育苗を通じたコミュニケーションの活性化が期待されています。これは、職場の仲間同士で自然環境に関心を持ち、話題を共有する機会にもなっています。
環境意識の向上
今回の取り組みは、JR西日本の地域共生室が推進しているもので、和歌山支社の御堂課長は「これらの小さな取り組みが、私たちの環境に対する意識を高め、今後のサステイナブルな取り組みにつながると考えています」と語りました。
御堂課長は、維持する利用者の環境に対する理解と意識の高まりを目指しており、ソマノベースが掲げる「土砂災害のリスクが低い森づくり」にも貢献する姿勢を示しています。
「戻り苗」とは
「戻り苗」というサービスは、自宅やオフィスで育成した苗木を最終的に山林に戻すことを目的としています。この取組みは「環境保全をやらなければいけないことから、やりたいことに変える」という哲学に基づいており、参加者はただ育てるだけでなく、植林にも実際に関与できる機会を持つことができます。
参加型の森林保全プログラムとして、様々なセミナーやワークショップを通じて、地域の人々が森林と関わる機会を持てることを願っています。これを機に、参加者がライフスタイルの中で環境への理解を深めることにつながるでしょう。
株式会社ソマノベースの使命
株式会社ソマノベースは、和歌山県田辺市に本社を構え、2021年に設立されました。現代表の奥川季花さんは、環境保全に関心を寄せる企業活動を展開しており、持続可能な未来を目指した新しい価値観の創出を図っています。詳細は公式サイト(https://somanobase.com/)をご覧ください。
この取り組みは、地域社会と企業の共同が生み出す新しい形の環境保全のモデルとなることでしょう。