ARABAKI ROCK FEST.25で実現した生分解性プラスチックの資源循環モデルとは

ARABAKI ROCK FEST.25での生分解性プラスチック容器の挑戦

2025年4月、宮城県で開催された「ARABAKI ROCK FEST.25」において、国内音楽フェスとしては初めての試みとなる生分解性バイオマスプラスチック（PLA）容器の資源循環モデルが実証されました。この取り組みは、環境意識の高まりとともに、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとして注目されています。

連携企業の役割と背景

本プロジェクトに参加したのは、株式会社komham、株式会社高速、株式会社ジー・アイ・ピー、リスパック株式会社の4社です。特に株式会社高速は、環境負荷の低減に向けた取り組みとして、使用済みプラスチックの資源循環を推進しており、ARABAKI ROCK FEST.25では、生分解性のPLA容器を提供・回収しました。

会場では、専用の生ごみ処理機「スマートコンポスト®」を用いて、回収したPLA容器と食べ残しを同時に堆肥化する実証実験が行われました。この試みは、イベントの廃棄物処理を現場で完結させる新しい資源循環のモデルを目指しています。

スマートコンポスト®の特長

「スマートコンポスト®」は、ソーラー発電を利用して動作することが特徴の生ごみ処理機です。この機械には、特許による微生物群「コムハム」が搭載されており、高速での生ごみ処理が可能です。従来の生ごみ処理では電源や排水が必要ですが、この機械は独立して運用できるため、様々な場所で効果を発揮します。

実証実験では、まず72日の間にイベントで発生した生ごみとPLA容器を混合し投入しました。その結果、42日で約81%、72日で93％という高い分解率を達成しました。特に、PLAカップやストローは原型を留めることなく粉々に分解されていったのです。

実証の結果と新たな挑戦

一方で、一部のカトラリー類は分解に時間がかかることが確認されました。この結果をもとに、将来的にはさらなる技術の改善や、処理方法の見直しを行い、より効率的な堆肥化プロセスを整える予定です。

実証実験の終了後、得られた堆肥は宮城県川崎町内の敷地に撒かれ、ミニトマトの育成実験にも利用され、成功を収めています。このように、処理した堆肥が生産活動に役立つという循環の構築が実現しています。

今後の展望

ARABAKI ROCK FEST.25を通じて、生分解性バイオマスプラスチック容器と生ごみの同時処理が可能であることが示されました。今後は「スマートコンポスト®」を活用し、イベント参加者にも環境への取り組みを実感できる機会を提供することを目指しています。また、他の堆肥化施設との連携も視野に入れ、より広範な処理体制の確立を目指すとしています。

この取り組みを通じて、関係各社は環境に配慮した持続可能なイベントの運営を進めていく意向を示しており、今後の発展に期待が寄せられています。興味のあるイベント主催者や企業、自治体の方々は、ぜひ株式会社komhamまでお問い合わせください。