春野デザインが描く未来のビジョン
福岡を拠点に、デザインとマーケティングに革新をもたらしてきた春野デザイン株式会社。2024年から始まる四期目を迎え、さらなる挑戦と成長を目指す同社の代表、亀元友弥氏にインタビューを行った。本記事では、亀元氏が語る過去一年間の振り返りと今後のビジョンについて深堀りしていく。
3期目の振り返り
新たな地盤を築いた1年
亀元氏は「第3期は地盤を築く年だった」と述べる。広告事業の開始、新卒採用の拡大、チーム体制の見直しなど、多くの要素が同時に進行した。その結果、売上や取引先の数、社内体制などが大きく改善された。それでも、彼の考えは次のフェーズへの助走だったという。今後の方向性が見え始めた瞬間であると言える。
クリエイティブの融合
3期目には新たに「春野デザインアド」という広告運用サービスを開始し、広告事業部と製作事業部の連携が強化された。今では、広告配信とランディングページ(LP)の提案が一体になり、クライアントとの距離が一層近くなった。このように、制作物の完成を「終わり」ではなく、「始まり」とする観点は、同社の大きな強みといえる。
採用の躍進
求人応募数が前年比数十倍
亀元氏は、2026年度の新卒採用において、40件を超える問い合わせを受けていると報告。同社は全ての応募が有料媒体に載ることなく、SNSやブログを通じて社内文化を浸透させてきた結果だ。また、全国どこからでも働きやすいフルリモート制度の導入も、人材獲得の要因となっている。彼は、社員に「ここで働くことが楽しい」と感じてもらえる会社を作ることを目標としている。
社会との関わり
外部からの人材育成支援
最近では、企業や自治体からの人材育成に関する依頼も増えている。亀元氏によれば、社内の会議の進行方法やチームビルディングに関心を持たれ、研修カリキュラムを開発中。デザイン思考やDX、SDGsといったテーマでの研修が好評を得ており、自己啓発の一環として他社でも通用する知識を提供している。彼はこの取り組みを事業の重要な柱にしていきたいと考えている。
4期目の挑戦
サロン業界との協業
その中でも特に注目すべきは、サロン業界との共同プロジェクトである。春野デザインは、多くのサロンオーナーと連携してSaaSプロダクトの開発に取り組んでおり、マーケティング課題に答える形で実際のニーズに基づいて共創を進めている。このプロジェクトは同社にとって新たな挑戦であり、単なる制作会社から脱却するための第一歩でもある。
AIとデザインの未来
亀元氏は、デザインとAIの接点に立つプロジェクトにも取り組んでいる。最近の「デザイナー vs AI」のイベントでAI側として挑戦した経験は特に印象深い。AIと人間がどのように協働できるのかを探るこの取り組みは、将来的にデザイン業界全体に新しい視点を提供していくことになるだろうと考えている。
事業成長と人づくりの両立
亀元氏は4期目を「事業成長」と「人づくり」という二つの側面から考えている。外部へ向けた挑戦だけではなく、社内人材をどのように育てていくかも重要だと語り、信頼して任せ成長を促す姿勢が、春野デザインの未来を形作ると強調する。
読者へのメッセージ
最後に亀元氏は、春野デザインが進化し続ける姿を見てほしいとし、「ぜひ声をかけてほしい」と呼びかけた。まだまだ成長の余地があるこの会社と、一緒に未来を形作っていくことに興味を持つ人々が増えることを期待している。彼の目指す「人と未来を育てる会社」への挑戦は、これからの四期目にますます注目が集まるだろう。