葬儀市場の新たな趨勢
LDT株式会社が運営するオンライン葬儀相談サービス「やさしいお葬式」は、2024年と2025年上半期の依頼実績に基づく詳細な調査を行い、その結果を報告書「葬儀トレンド2025上半期」として発表しました。この調査は、葬儀形態の選択傾向や、費用水準、季節に関連する変動について詳しく分析したものです。
現在の葬儀形態の変化
調査によると、一日葬の比率が2024年上半期の17.7%から2025年上半期には25.0%へと大きく増加した一方、直葬及び火葬式は34.5%から25.7%へと減少しています。さらに、家族葬は12.5%から11.6%にわずかに減少しました。こうしたデータは、全国的な調査とも比較され、当社の顧客層は直葬や火葬式を他地域に比べて多く選択していることが示されています。つまり、当社の顧客は儀式性を残しつつも簡素化を求める傾向が強いと言えます。
季節的要因と葬儀形態
特定の季節における葬儀形態の選択には明確な傾向が現れています。特にお盆(8月10日〜20日)では、家族葬や直葬/火葬式が増加し、それぞれ15.3%と32.2%に達することが分かりました。これは、帰省の影響や火葬場の混雑を受けて「小規模」を選ぶ傾向があることを示しています。年末年始でも同様の傾向が見られ、直葬の比率が顕著に増える結果となっています。
費用に関するトレンド
施行費用に関するデータも注目されます。2024年上半期の平均費用は29.4万円から2025年には30.4万円に上昇し、前年比で約3.3%の増加を記録しました。全国調査のデータと比べても、当社の平均費用は大幅に低いことが示されています。このことは、必要最低限ではなく必要十分な儀式性を求めるニーズが高まっていることを反映しています。
地域別・属性別の傾向
葬儀形態の選択は地域特性や人口動態にも影響を受けています。都市部では直葬や一日葬の比率が高く、地方では家族葬や一般葬が好まれています。また、高齢化が進んでいる地域では直葬が全国平均を上回る傾向も見られました。
時期的特徴
葬儀市場には、冬季に需要が増加する傾向もあります。1月・2月の施行数は平常月比で約1.3倍に達し、厚生労働省の統計とも一致し、冬季死亡率の高さがあらためて確認されました。このように、季節的な要因や時間的制約が葬儀の形式を選ぶ際の重要な要因であることも明らかになりました。
まとめ
今回の調査から、葬儀市場は単なる「簡素化の一方通行」ではなく、様々な層のニーズに応じた多様な変化が進行中であることが明らかになりました。この変化は、単なる費用の問題だけでなく、儀式の重要性や社会的儀礼の必要性が背後にあることを理解することが重要です。今後、LDT株式会社は、顧客の動向に敏感に対応し、より良いサービス提供を目指していく方針です。