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フランスに本社を置くProphesee社と日本のコーンズテクノロジー株式会社が、業務提携による販売代理店契約を締結したことが発表されました。この提携により、日本市場において、Prophesee社が開発したイベントベースビジョンセンサー(EVS)の技術がより広く普及することが期待されています。
イベントベースビジョンセンサー(EVS)とは
Prophesee社が提供するイベントベースビジョンセンサーは、従来のCMOSイメージセンサーとは異なるアプローチを取っています。このセンサーは、視覚の原理を基に輝度変化に敏感に反応することで、最も重要な情報を効率的にキャッチします。特に、輝度の変化が大きい箇所だけを捉えるため、出力データは非常に軽量です。これは、消費電力を大幅に抑えられるという利点もあり、様々なアプリケーションにおける課題解決に寄与します。
具体的には、YouTubeに公開されているデモ動画でも、その違いがわかりやすく説明されています。左側が従来のフレームベースのセンサー、右側がイベントベースビジョンセンサーの映像となっています。
EVSの活用が期待される分野
この新技術の利用は、ARやVRのウェアラブルデバイス、IoT/エッジコンピューティング、さらにはスマートホームなど、様々な分野で期待されています。
近距離トラッキング機能が強化され、高速かつ複雑なデータ処理が求められる環境でも、少ないデータ量で効率的に処理できる点が大きな特徴です。これにより、利用者にとってより直感的で快適な環境を提供できます。
スマートドアベルや転倒検知、さらには空間認識技術などのアプリケーションにおいても、その威力を発揮します。特にCMOSイメージセンサーに起こりがちなプライバシー問題にも対応できる点が注目されます。データ出力が有限なため、個人情報を保護しつつ、必要なモニタリングを実現可能です。
評価キットの提供開始
Prophesee社では、EVSの評価キットの提供も開始しています。これには、専用の評価ソフトウェアであるMetavision Studioが含まれています。これにより、センサーの出力結果を視覚的に確認し、ノイズ処理や検出エリアの設定を行って、さまざまな条件下でのキャリブレーションが可能です。
プライバシーに配慮しつつ高精度な技術を提供するこのセンサーは、IoTやAI技術のさらなる進化に貢献することでしょう。
今後の展望
コーンズテクノロジー社は、これまでのイメージセンシング技術の経験を基に、イベントベースビジョンセンサーの普及を一層推進していく方針です。これにより、日本国内の産業や社会で、より革新的なソリューションを実現することを目指しています。
問い合わせは、コーンズテクノロジーの電子デバイス部センサーチームまで。皆様の関心をお待ちしております。