浜松市、森林に基づくカーボンクレジット事業に取り組み
浜松市が、双日株式会社や住信SBIネット銀行、セールスフォース・ジャパン、テミクス・グリーン、マプリィ、芙蓉総合リース、Green Carbon、sustainacraft等8社との連携協定を締結しました。この協定により、浜松市内の市有林における間伐などの森林整備を通じて、国際基準に基づいたボランタリーカーボンクレジット、具体的にはVerified Carbon Standard(VCS)に認証されたクレジットの創出を推進します。
世界的に脱炭素の動きが強まる中、カーボンオフセットが重要な手段として注目されています。この流れの中、日本でもJ-クレジットが普及していますが、国際的な企業が必要とする基準としては、米国のVCSが多くの取引に使用されています。また、日本国内では太陽光発電が主流だったのに対し、森林経営によるCO₂の吸収量も注目され始めています。
浜松市の森林面積は約10万ヘクタールで、これは日本でも屈指の規模です。同市は2010年に国、静岡県、市内の森林組合と協力して、FSC®森林認証を取得しました。これは森林組合が連携して得たもので、全国で初めての成功事例となっており、認証面積は市町村別で見てもトップを誇ります。浜松市は今後も森林の価値を向上させるために、J-クレジットに加え、国際的な基準に基づいたCO₂のクレジット化にも取り組む方針です。
今回の協定に参加する企業は、それぞれが林業や森林管理におけるデジタル技術の導入、カーボンクレジットの発行に関する経験を持ち、グローバル企業との販売ネットワークも構築しています。2024年9月からは、浜松市内のスギやヒノキを対象に、IFM(改善された森林管理)方法論を活用し、VCSのクレジット発行に向けた検証がスタートします。
8社は本協定を通じて、適切な森林管理を行うことで森林価値を最大限に引き出し、持続可能な社会の発展に貢献することを目指しています。
この取り組みは、環境保全と経済発展の両立を図る重要な一歩となり、他地域への波及効果も期待されています。これにより、浜松市は日本国内外での環境保護の先駆者となることを目指して進んでいます。森林の持つ力を活かし、クリーンな未来の実現に向けた取り組みは、これからますます注目されていくことでしょう。
各社の概要
ここでは、今回協力する企業の簡単な概要をご紹介します:
- 代表者:植村 幸祐
- 主な事業:総合商社
- - 住信SBIネット銀行株式会社(所在地:東京都港区)
- 代表者:円山 法昭
- 主な事業:銀行業
- - セールスフォース・ジャパン株式会社(所在地:東京都千代田区)
- 代表者:小出 伸一
- 主な事業:クラウドアプリケーション提供
- 代表者:直海 知之
- 主な事業:カーボンクレジット売買
- 代表者:山口 圭司
- 主な事業:GISアプリケーション開発
- - 芙蓉総合リース株式会社(所在地:東京都千代田区)
- 代表者:織田 寛明
- 主な事業:法人向けリースサービス
- - Green Carbon株式会社(所在地:東京都港区)
- 代表者:大北 潤
- 主な事業:カーボンクレジット創出事業
- - 株式会社sustainacraft(所在地:東京都千代田区)
- 代表者:末次 浩詩
- 主な事業:環境情報提供
このように、8社が連携することで、森林を守りながらカーボンクレジットを生み出す新たなモデルが構築されることが期待されています。