鹿児島の濱田酒造が導入した需給調整ソリューション「Φ-Pilot」

濱田酒造の需給調整・在庫適正化の取り組み

株式会社フェアウェイソリューションズが提供する需給調整および在庫適正化ソリューション「Φ-Pilot」シリーズは、鹿児島の焼酎メーカー濱田酒造株式会社に導入され、その成果が注目を集めています。このソリューションは、変化する需要に応じた在庫のバランスを計算・可視化し、適正な発注と迅速な需給調整を実現するものです。

導入の背景

濱田酒造は、長年の間、販売計画の作成に手間取り、在庫の適正管理に苦労してきました。営業部門が立てる販売計画と製造部門の生産計画が連携せず、月単位の販売予測に対し、週単位の生産計画が影響を与えることが多かったためです。このため、在庫の過不足が常に問題となっていました。さらに、焼酎は賞味期限がなく、在庫管理の指標が不足しており、経験則頼みの運用が続いていました。

この状態を改善するため、濱田酒造は約4年前に需給調整のためのシステム化を模索し、Φ-Pilotに出会います。セミナーでの第一印象は強く、「これがやりたかったことだ！」と感じたと言います。

導入の課題と効果

一方で、社内ではΦ-Pilotの導入に対して反発もありました。営業部門は出荷予測ツールとして受け止めており、参加意欲が低下していたのです。そこで、これが生産と営業のつなぎとなるコミュニケーションツールであることを訴えかけ、理解を得ることで、導入への合意が得られました。

Φ-Pilotの導入後、業務がシームレスに結びつくことで、部門間の合意形成がスムーズになりました。そして、販売計画を週単位で更新するなどして、在庫管理の精度が向上しました。特に、在庫を指標化することで、売れ行きに応じた適正在庫の管理が可能になりました。

驚異的な在庫削減とキャッシュフロー改善

導入後4ヶ月で、濱田酒造の在庫は13％削減され、金額にして7,000万円のキャッシュフローが改善されました。特に、売上構成比の低いC群の在庫量が27％も削減され、全体の在庫に大きな影響を与えました。これは、Φ-Pilotの異常在庫アラート機能が欠品や過剰在庫の予防に寄与した結果です。

地域活性化への寄与

また、導入に際しては「鹿児島県ものづくり中核企業生産革新支援事業」の補助金を活用し、この取り組みは鹿児島県内でも高く評価され、地域活性化にも貢献しています。社長賞を受賞するという嬉しい成果も実現しました。

今後の展望

今後、濱田酒造はΦ-Pilotの第二次システムとして『生産日程』を導入し、さらなる業務効率化を図る計画です。これにより、生産計画と物流計画を一貫して回せるシステムフローを確立し、欠品や過剰在庫の問題を解決していきたいと考えています。丁寧な需給調整を行うことで、今後もサステナブルな成長を目指す濱田酒造の取り組みに注目です。