CTBE社、米国ボストンでのビジネス展開を加速
CoreTissue BioEngineering(CTBE)社が、このたび米国ボストンにある「Johnson & Johnson Innovation-JPOD @ Boston」に選ばれました。これは、日本の医療機器スタートアップにとって初となる快挙であり、CTBE社にとっては脱細胞化された動物組織由来の人工靭帯のビジネス展開を進めるための重要なステップです。
CTBE社の背景
CTBE社は2016年に早稲田大学からスピンアウトした企業で、神奈川県横浜市を拠点にしています。代表の城倉洋二社長が率いる同社は、早稲田大学の岩﨑清隆教授が開発した技術を駆使し、厚い組織でも脱細胞化を可能にする革新的な製品を生み出しました。この技術により、凍結乾燥・滅菌を経た後、再水和が容易になり、安全に医療現場での利用が可能になります。
CTBE社の主な製品は、膝前十字靭帯再建手術に使用される人工靭帯です。この医療機器は、体の負担を軽減しながら、患者が必要とする治療を提供します。毎年、全世界で80万人以上がこの手術を受けており、日本国内だけでも約2万人が再建手術に挑んでいます。
革新的なソリューション
従来、患者は自身の健康なハムストリング腱や膝蓋腱から移植片を採取する必要があり、手術に伴う高負荷な治療を受けていました。CTBE社が開発した人工靭帯は、患者自身の組織を使わずに再建を可能とし、より軽減された負担で手術を行うことができます。この新たな技術の導入により、多くの患者が救われることが期待されています。
国際展開への取り組み
CTBE社は、すでにヒツジを用いた大動物試験に成功し、製品の概念実証(POC)を達成しています。また、国立開発研究法人日本医療研究開発機構(AMED)からの助成金を受け、今後は投資会社や事業会社からの出資を受けて治験を進める準備を進めています。これにより、CTBE社は膝前十字靭帯再建術用人工靭帯の開発をさらに加速させる予定です。
さらに、CTBE社は当社の技術プラットフォームを活用して、筋骨格系の再建に適応した新たな医療機器の開発も計画しています。これにより、さらなる医療の進歩に貢献できるとともに、患者の健康を守るための製品を提供していく所存です。
会社詳細
CTBE社についての詳細は、公式ウェブサイト(
CTBE公式サイト)にアクセスしてください。様々な質問やお問い合わせは、CoreTissue BioEngineering株式会社、経営企画部の和氣千明までご連絡ください。
- - 企業名: CoreTissue BioEngineering株式会社
- - 設立日: 2016年11月29日
- - 所在地: 神奈川県横浜市鶴見区末広町1-1-43ライフサイエンス研究センター 301
- - 代表取締役: 城倉洋二
- - 事業内容: 生体組織由来の膝前十字靭帯再建術用の人工靭帯の開発、製造、販売
用語解説
- - 脱細胞化組織: 動物組織から拒絶反応を引き起こす原因となる細胞成分を取り除いた、安全に移植できる組織です。