iPS創薬でALS治療薬開発へ
2023-03-01 15:30:01
iPS創薬でALS治療薬開発へ!ケイファーマとアルフレッサ ファーマが国内開発権・製造販売権許諾契約を締結
ケイファーマとアルフレッサ ファーマは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬として世界で初めて疾患特異的iPS細胞を用いた創薬研究(iPS創薬)により見出したロピニロール塩酸塩の日本国内における開発権・製造販売権の許諾契約を締結しました。
この契約により、アルフレッサ ファーマは日本国内でロピニロール塩酸塩を活用したALS治療薬の開発・製造販売を行う権利を獲得しました。ケイファーマは、契約一時金に加え、開発の進捗に応じたマイルストンペイメントと販売に応じたランニングロイヤリティを受け取ります。
ALSは、重篤な筋肉萎縮と筋力低下を引き起こす神経変性疾患です。運動系が広範囲に障害され、発症から3~5年で呼吸筋麻痺により死亡するケースが半数にのぼります。現在、有効な治療法は確立されていません。
2018年12月に開始された慶應義塾大学での医師主導治験では、ALS患者を対象にロピニロール塩酸塩徐放錠を内服投与する第Ⅰ/Ⅱa相試験を実施しました。全患者が最大量(16mg)の内服を完了し、有害事象による内服の中止は発生しませんでした。これは、ALS患者に対するロピニロール塩酸塩の安全性と忍容性を示す結果です。
さらに、有効性についても、死亡または一定の病気の進行までの期間を生存期間として検討した結果、1年の試験期間において、病気の進行を約7か月遅らせる可能性が示唆されました。これらの結果を受け、アルフレッサ ファーマは開発を加速し、一刻も早く患者に届けられるよう努力を続けていきます。
ケイファーマは、慶應義塾大学医学部生理学教室岡野栄之教授と同整形外科学教室中村雅也教授の研究グループとともに、長年にわたり脊髄損傷等の再生医療研究、および疾患特異的iPS細胞技術を用いた創薬研究に取り組んできました。iPS細胞を活用した脊髄損傷や脳梗塞を対象とする再生医療事業、ALSを含む神経難病に対するiPS創薬事業の両事業を展開し、アンメット・メディカル・ニーズの解決を目指しています。
ケイファーマ代表取締役社長福島弘明氏は、この契約について「ロピニロール塩酸塩は、世界で初めてiPS創薬という手法により見出されたALS治療薬候補であり、慶應義塾大学での医師主導治験(第Ⅰ/Ⅱa相試験)にて極めて有望な結果を得ることができました。今後、アルフレッサ ファーマという素晴らしい提携パートナー様とともにさらに開発が加速していくことを大変喜ばしく思います。ケイファーマといたしましても、未だ有効な治療法のない神経難病や脊髄損傷、脳梗塞等に苦しんでいる世界中の患者様のために、一刻も早く、より有効な医薬品、再生医療等製品を届けられるよう全社一丸となって取り組んでまいります。」とコメントしています。
会社情報
- 会社名
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株式会社ケイファーマ
- 住所
- 東京都港区六本木7-7-7
- 電話番号
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