2025年7月の中古車市場動向
2025年7月の日本の中古車市場には、輸出向けと国内向けの相場の二極化という現象が見られます。株式会社ファブリカホールディングスの完全子会社である株式会社ファブリカコミュニケーションズが運営する中古車情報サイト「車選びドットコム」によると、国内の中古車登録台数は前年同月比で増加し続ける一方、新車登録台数は減少傾向にあります。この報告書は新車と中古車の市場動向を詳細に分析したもので、特に輸出向けの需要が顕著に高まっている点が注目されます。
2025年6月から7月にかけてのデータによると、新車登録台数は393,162台から390,512台に減少し、前月比で99.3%となりました。その一方で、中古車登録台数は570,807台へと増加し、前月比で106.6%を記録しています。特に、前年同月比で見ると、新車登録台数が96.4%の減少に対し、中古車登録台数は101.3%の増加と、明確な二極化が浮き彫りになってきました。
このデータから、国内市場の成約率が低下していることが伺えます。新車の供給が減少し続けることで、将来的に下取りや買取が減少し、それが中古車登録台数の減少に結びつく可能性が懸念されています。特に新車の供給減少に伴い、需要と供給のバランスが崩れ、中古車市場の動向に影響を与えるでしょう。
輸出市場の状況
一方、輸出市場では日本車への需要が引き続き高く、円安や海運状況の改善が相まって、輸出台数は前年同期比で6.5%増の82万2801台に達しました。このことが、輸出向けの車両相場を高止まりさせる要因となっています。国内市場が低迷する一方で、外国市場での日本車の価値は依然として高騰しているため、消費者や業者はこの相場に注目する必要があります。
中古車の相場変動の予測
しかし、今後の市場動向については、再び相場が上昇に転じる可能性もあります。例えば、「5年落ち中古車」の流通が多くなる時期が近づく中で、この車両の供給が従来よりも減少する見込みです。これにより需給バランスが変わり、相場が引き上げられるリスクが伴います。2020年に生じた新車生産の減少がこの流れに影響しており、2025年には5年落ちの中古車の供給が少なくなるでしょう。したがって、販売業者や購入者はこの需給バランスの変化を踏まえて、戦略を立てる必要があります。
2025年7月の中古車販売状況
「車選びドットコム」では、国産車の中古車販売に関するデータも提供しています。7月のボディタイプ別販売ランキングでは、軽自動車がシェアを32.0%に達し、人気を維持しています。対して、コンパクトカーやミニバンなど他のボディタイプのシェアは減少しており、国内市場での基盤の変化がみられました。
車種別で見ても、トヨタのプリウスが引き続き1位に位置しています。このことからも、軽自動車の人気が高まりつつあることが伺えます。
結論
2025年7月の中古車市場は、輸出向けと国内向けの相場が明確に二極化している状態です。これに応じて、業者は需給バランスを見極めながら、柔軟な在庫管理とマーケティング戦略を行う必要があります。市場状況は目まぐるしく変わるため、データを基に迅速に対応することが求められているのです。