金利上昇時代の住宅ローン、購入者と検討者の意識の違いとは?
最近、株式会社LIFULLが運営する不動産情報サービス「LIFULL HOME'S」が行った『住宅ローンに関する意識調査』の結果が注目を集めています。
この調査は、10年以内に住宅を購入し、今現在も住宅ローンを利用中の購入者627名と、5年以内に住宅購入を検討し、住宅ローンを利用する予定の765名を対象に実施されました。特に、金利の上昇圧力が高まる中での両者の意識の違いが明らかにされる結果となりました。
購入者と検討者の意識の差
不動産購入者の53%以上が「変動金利」を選択、一方で購入検討者ではわずか30%台という結果が出ました。このことから、既に住宅ローンを抱える購入者は、金利の低い状況を享受している一方、これから購入を検討している者は将来の金利上昇に対する不安を抱いていることがわかります。
この不安は世帯年収倍率にも反映されており、両者は「3倍以上6倍未満」に集中しているものの、購買検討者はより保守的な選択をしていることが見て取れます。特に5倍未満を選ぶ傾向が高く、これは金利上昇を懸念する心理の表れかもしれません。
住宅ローンの返済意識
購入者からは、世帯月収に対する住宅ローン返済割合が「2割以上3割未満」との回答が最も多く、この対応はやや安心感を醸し出す一方、3割を超えると「もっと借入額を減らせばよかった」と後悔している人が増えることが確認されました。
一方、購入検討者の中には「住宅ローン金利が上がる前に購入したい」という意向が41.3%に達し、急いで決断する傾向がうかがえます。これにより、金利上昇の影響を受けやすい立場にあるのが分かります。
未来に対する不安
今後1年間の住宅ローン金利の見通しについて、購入者の36.6%が「上昇」を予測するのに対し、購入検討者は62.5%に達しました。この実態は、金利に対する意識が二大グループ間で大きく異なっていることを示しています。
更に、住宅ローンを完済できるかといった不安も高まり、購入者が66.1%、購入検討者が89.8%と、検討者がより不安を抱いていることが浮き彫りになりました。
どうしても緊迫した状況にある中で、金利高騰に対する対策が必要です。実際に多くの購入者が「新NISA」や「iDeCo」を活用して、金利上昇に備える動きが見られます。
専門家の見解
調査結果を受けて、LIFULL HOME'S総研の中山登志朗氏は、住宅購入者と検討者の意識の違いについて深い考察を行いました。調査を通じて、購入者たちは金利低下という現実に満足しながらも、金利上昇の脅威を感じることすら忘れてしまっている可能性があると指摘しています。
これからの金利動向の予測や、返済対策を十分に考慮することが、安心かつ納得のいく住宅購入につながるかもしれません。今後の住宅市場の動向に注目が集まります。
調査概要
- - 期間: 2024年6月28日 ~ 2024年7月5日
- - 対象者: 住宅購入者・購入検討者
- - 調査法: インターネット調査
- - 有効回答数: 住宅購入者627人、購入検討者765人
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