エイブリックの新製品、バッテリー保護IC「S-821A/Bシリーズ」
エイブリック株式会社が本日、新たに1セルバッテリー保護IC「S-821A/S-821Bシリーズ」の販売を開始しました。この製品は、スマートフォンやウェアラブル機器など、様々なIT機器で用いられている1セルリチウムイオンバッテリーの安全性を大きく向上させることが期待されています。特に、近年はスマートフォンが高機能化し、大容量のリチウムイオンバッテリーが使用されるようになっており、その安全対策が求められています。
新たな技術で安全性を確保
新製品の最大の特徴は、Nch MOSFETを用いたハイサイド保護の実現です。これにより、バッテリーの正極側で電流の経路を遮断し、短絡などの事故を未然に防ぐことができます。また、バッテリー内部の電流経路がシンプルに設計されることで、システム全体の設計がより簡素化されます。
業界最高クラスの3倍昇圧チャージポンプを内蔵しているため、Nch MOSFETの駆動電圧も高まり、オン抵抗が低下。これにより、電池の効率が向上します。
多段階の保護機能を搭載
「S-821A/Bシリーズ」は、放電過電流保護機能を3段階で備えており、安全な動作が保障されています。具体的には、放電過電流1、放電過電流2、負荷短絡の各段階で異常電流を制御することが可能で、業界でもトップクラスの精度を誇ることから、信頼性の高い安全対策として期待されます。
過充電検出に関しても、±15mVという高精度な検出が可能で、バッテリーが安全に使用できるようになるほか、パワーセービング機能により、電池からの放電を禁止し、ICの消費電流を50nAに抑えることができます。これにより、バッテリーの消費を限りなく0に近づけ、長期間の使用が可能となります。
過熱保護の実現
さらに、NTCサーミスタを接続することで、過熱保護も実現可能です。これにより、熱による事故のリスクも低減され、デバイスの安全性が一層向上します。
結論と今後の展開
このように、「S-821A/Bシリーズ」は、リチウムイオンバッテリーの安全性を確保するための多くの新技術を搭載しています。エイブリックは、今後もリチウムイオンバッテリー保護ICの高精度化・高機能化に取り組み、様々なアプリケーションに対応する製品を展開していく方針です。環境への配慮も重視し、グリーンプロダクツとしても認定されています。
詳しい製品情報は
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