研究の進展
2011-07-08 09:30:02
革新のイオントラップ質量分析計がもたらす研究の進展とは
革新のイオントラップ質量分析計がもたらす研究の進展とは
最近、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社が発表した新しいイオントラップ質量分析計「Thermo Scientific Velos Pro(ヴェロス プロ)」が、研究の現場において注目されています。このデバイスは待望の第59回ASMS年次会議で紹介され、その名に恥じない性能で定量分析の新たな可能性を開くことが期待されています。
Velos Proの特徴
Velos Proは、定量的および構造的な分析において非常に優れた性能を誇ります。その機能性は以下の4つの革新により、さらに強化されています。
1. 新しい検出エレクトロニクス:最大6桁の直線的な定量化を実現し、信頼性の高いデータ取得が可能となりました。
2. 高速スキャン:時速66,000 Daltonsという驚異的なスピードでデータを取得することができ、従来のスループットの限界を超えた分析が可能になります。
3. 新しいトラップ技術:高エネルギー衝突解離(HCD)を含むフラグメンテーション手法も搭載され、より詳細な構造分析を可能にしています。
4. 中性分子ブロッキング技術:イオン光学の再設計により、ダウンタイムが減少し、高い堅牢性が実現されています。
Velos Proの特徴により、従来の定量プロテオミクスアプリケーションが大幅に強化され、特にペプチドの同定においても精度が向上する見込みです。これにより、研究者たちはより効率的にデータ解析を行うことができるようになります。
実際の研究への応用
新しいイオントラップ質量分析計の導入によって、さまざまな分野での利用が拡大します。例えば、メタボリズム研究においては、定性的および定量的な分析フローを一つのシステムで行うことが可能になります。これにより、研究者は新たなサンプルや成分の特定が容易になります。
また、トラップHCDフラグメンテーション技術は、これまで高コストであったアプリケーションをより手軽に利用できるようにし、イオントラップ技術を活用した相対定量化が行える新しいワークフローを提供します。これにより、研究者は革新的な研究を進め、学術界に貢献することが期待されています。
競合との差別化
サーモフィッシャーは、業界をリードする技術を駆使し、Velos Proの市場投入によって競合との差別化を図っています。特に、米国Thermo Fisher Scientific Inc.のR&D担当副社長Ian Jardine氏が述べているように、Velos Proの導入により、イオントラップの定量性能と定性的機能はこれまでにないほど強化されていると評判です。
加えて、既存のLTQ Velos™およびLTQ Orbitrap Velos™システムのユーザーにとっても、今回の新技術はアップグレードの選択肢を提供し、初期投資をさらに価値あるものへと変化させる可能性を秘めています。
まとめ
サーモフィッシャーサイエンティフィックの「Velos Pro」は、イオントラップ質量分析計の未来を切り開く存在です。実用性と高性能を兼ね備えたこの新たなシステムがもたらす研究の進展が、今後どのように進むか、益々楽しみです。今後の研究活動においても、Velos Proの活躍を期待しています。
会社情報
- 会社名
-
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社
- 住所
- 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3-9
- 電話番号
-
045-453-9100