名古屋大学からベンチャー認定を受けたAI企業Playboxの挑戦

AIが切り拓くスポーツ映像分析の未来

株式会社Playboxは、スポーツ映像解析の分野でAI技術を活用し、革新を続けている注目の企業です。2025年6月、同社は名古屋大学から「名古屋大学発ベンチャー」として認定され、さらに筑波大学からもベンチャー企業としての認定を受けています。これにより、Playboxは、学術機関と連携しながら、高度な技術を社会に実装していくための重要な一歩を踏み出しました。

Playboxのビジョンと技術

Playboxの掲げるビジョンは『Make Human Movement Computable』。これは、人間の動きをAIによって数値化し、分析できる世界を意味しています。特に、スポーツ界で培った動作分析技術を基に、さまざまな分野に応用していく姿勢が評価されています。例えば、オフィスや工場での動作効率化支援や、セキュリティ分野での行動解析システムの開発など、多岐にわたる応用プロジェクトが進行中です。

名古屋大学発ベンチャーの意義

名古屋大学発ベンチャーとしての認定は、Playboxが大学の研究成果や知的財産を活用し、事業活動を行う上での大きな後ろ盾となります。この認定制度は、大学が選定した技術力と社会実装力を兼ね備えた企業に与えられ、大学との関係性を保ちながら、研究成果を実社会に還元することが目的です。Playboxは、名古屋大学の研究を通じて得た知見を、将来的にはさらに多様な分野へ展開していくのです。

AIスポーツ映像解析システムの革新

Playboxが提供するAIスポーツ映像解析システムは、市販のGoProカメラを利用することで、専門機材なしで導入可能となりました。これにより、スポーツ映像を手軽に撮影し、AIが自動で分析・編集するプロダクトが実現したのです。特にアマチュアやセミプロチームに向けた高品質なスポーツ分析は、もはや高額な機器や専門知識がなくても行える時代を迎えています。

このように、AI映像解析を通じて、チームや個人は自分たちのパフォーマンス向上や戦術分析を行いやすくなり、スポーツの裾野を広げることが期待されています。また、プレイヤーたちは自らの試合をデータに基づいて振り返り、新たな発見や喜びを感じる機会が増えているのです。

幅広い応用展開と未来へのビジョン

Playboxは、AIによる動作認識や行動解析のさらなる高度化を進めています。2026年には、戦術の可視化や改善支援を行うB2B SaaSの提供を予定しており、チーム運営のデジタル化（DX）促進にも寄与することを目指しています。具体的には、競技映像から選手の動作やプレー状況を自動解析し、戦術の改善を支援することを通じて競技力向上の手助けを行います。

規模を超えた可能性

さらに、個人トラッキングを通じて勤務時間や滞在時間の記録を自動化し、業務効率化を図るシステム、さらには混雑エリアの把握や空調の自動制御といった施設運営の最適化にも活用可能です。これにより、Playboxは競技を超えて高レベルな映像処理AIを提供する企業としての地位を確立しつつあります。

代表取締役のスコット・アトム氏は、名古屋大学からのベンチャー認定を受けたことを「社の研究開発が一歩前進した証」と述べ、今後も技術を社会に役立てるための取り組みを続ける意向を示しました。