2023年12月9日、東京都千代田区の海運クラブで開催された「令和6年度第1回モーダルシフト優良事業者大賞表彰」において、鈴与株式会社と鈴与カーゴネット株式会社が「効率化・省人化部門」で優良事業者賞を受賞した。この栄誉は、これまでの物流業界における革新と改善の努力を証明するものであり、参加企業の中でも特に際立った成果を上げたことが評価された。
真貝康一会長が率いる一般社団法人 日本物流団体連合会の前で、鈴与グループの代表である鈴木健一郎社長や澤入哲雄社長が表彰を受けた。同時に、他の企業であるチタン工業株式会社やタカラ化工株式会社も奨励賞を獲得し、物流業界全体の取り組み状況を示す良い例となった。
鈴与グループが受賞した案件について具体的に見ると、主に大阪市から神奈川県の南足柄市にかけての輸送を対象としていた。この過程で、従来の陸上輸送およびJR貨物から、RO-RO船輸送へとシフトを行った。RO-RO船とは、貨物を載せたトラックや大型車両をそのまま積載できる船であり、近年その効率性と安全性から高い注目を集めている。
このモーダルシフトの実施によって、運転手の運行時間が従来に比べて3,444時間(およそ60%)も削減されたという。効率的な輸送方法の採用は、運転手の労働環境の改善にもつながり、物流業界が直面している深刻な人手不足対応の一助となった。
物流業界では2024年問題と呼ばれる運転手の労働時間規制の強化が迫っている。加えて、社会全体でのCO2排出量削減が求められる中、鈴与グループはその両方に対応するべく積極的にソリューションを提供している。今回の受賞は、環境負荷の軽減や運転手の労働条件の改善のための持続可能なモデルを示したこととしても評価されている。
今後も鈴与グループは、物流の最適化を進め、業界全体のベンチマークとなるような革新を追求していくことが期待される。今回の表彰はその第一歩に過ぎず、さらなる発展と成長が待たれる。
このような取り組みは、もはや静的なものではなく、動的に発展していかねばならない。鈴与の挑戦は他の企業に対しても大きな刺激となり、業界全体の進化につながるだろう。