アートの新たな潮流を感じる
75年にわたって美術の魅力を届けてきた「芸術新潮」が、2025年12月号において新たな試みを発表しました。それは話題の文芸誌「GOAT」との初コラボです。この異ジャンルの雑誌同士がタッグを組むことで、どのようなアート体験が生まれるのでしょうか。
思いがけない出会いから生まれたコラボ
東京の某所での偶然の出会いからスタートしたこのプロジェクト。お互いに異なるジャンルの雑誌を発行する編集者同士の会話が、社交辞令に終わることなく具体的な形を持ちました。今回のコラボは、単なる記事の交換にとどまらず、それぞれの雑誌で異なる視点からアートを掘り下げていく試みです。
2つの記事が担うアートの多様性
最初の記事は、現代美術ユニットNerholの展覧会をテーマにしたもので、若手川柳作家・暮田真名さんがそのエッセイを執筆しました。彼女は埼玉県立近代美術館で開催された「Nerhol 種蒔きと烏 Misreading Righteousness」展に足を運び、展示を深く考察。展覧会のメッセージを、まるで宇宙人の視点から発掘するような独特なアプローチで伝えています。その中には、彼女自身のファッションにも-Nerholの作品にインスパイアされた要素が見受けられます。
暮田さんは、「Nerholの作品に触れ、『私たちの記憶や存在はこのようなものだ』と感じました。そのインスピレーションを川柳とエッセイに込めました」とコメントしています。このように、アートを違った視点で捉えることで、新たな言葉と表現が生まれました。
漫画と美術の交差点
もう一つの記事は、漫画家・ぱらりさんが、画家・諏訪敦さんの展覧会に触発された内容です。「GOAT」に掲載されるイラストルポと、「芸術新潮」に掲載される漫画とで、異なる視点から諏訪作品の魅力を伝えています。彼女が訪れたのは、天王洲アイルにあるWHAT MUSEUMで開催されている「諏訪敦 | きみはうつくしい」。同作品に描かれる登場人物たちが、タイムスリップして展覧会を観るという独創的なルポで表現されており、視覚に訴える魅力が詰まっています。
ぱらりさんは、「繊細で美しい諏訪さんの作品に触れ、自分の手でその世界観に触れることができたのは光栄です」とし、アートの持つ美しさを実感しています。これらの作品からは、アートのテーマに「美」が自然に盛り込まれ、さらに新たな問いかけを生んでいます。
発売情報と期待される反響
「芸術新潮」12月号は、2025年11月25日に発売され、定価は1,900円(税込)です。また、同タイミングで発行される「GOAT Winter 2026」のバージョンも必見で、各紙の異なるアプローチを楽しむことができます。今回のコラボ企画は、アートに対する理解を深め、新たな視点を提供する貴重な機会として、読者の皆様に注目されることでしょう。全く異なるジャンルの雑誌が織りなすクリエイティブな融合を、ぜひお楽しみください。
詳しくは「芸術新潮」の公式サイトでご確認ください:
https://www.shinchosha.co.jp/geishin
この歴史的なコラボを通じて、美術と文学が交わる新たな地平を感じてみてください。