新薬リソバリシブ承認申請
2025-08-15 10:35:44

海和製薬、進行・再発卵巣明細胞癌向け新薬リソバリシブの承認申請を発表

海和製薬が新たな抗がん剤リソバリシブの申請を発表



2025年8月15日、海和製薬株式会社(以下、海和製薬)は、がん治療の新たな選択肢となるべく、新規分子標的抗がん剤リソバリシブ(Risovalisib)の国内製造販売承認申請を行ったことを発表しました。この薬剤は、「がん化学療法後に増悪したPIK3CA遺伝子変異を有する進行・再発の卵巣明細胞癌」をターゲットにしています。

リソバリシブとは?



リソバリシブは、海和製薬が開発した新しいPI3Kα阻害剤であり、特に上皮性卵巣癌の一つである卵巣明細胞癌(Ovarian Clear Cell Carcinoma, OCCC)に対して、高い抗腫瘍効果を示します。非臨床試験において、この薬剤はPIK3CA遺伝子変異を有する腫瘍モデルに対し効果的に働きかけることが確認されています。現在、リソバリシブは単独療法や他の抗がん剤との併用療法に関する複数の臨床試験が進行中であり、今後更なる治療の可能性が期待されています。

卵巣明細胞癌とその治療の現状



卵巣明細胞癌は、上皮性卵巣癌の中でも稀で特に悪性度が高いサブタイプです。従来の治療法では奏効率が極めて低く、特に再発性の場合には確立された有効な治療が存在しません。このサブタイプは、他の卵巣癌と比較して、プラチナ製剤に対する抵抗性を示すため、十分な治療ニーズが存在しています。

最近の研究により、OCCCにおいてはPIK3CA遺伝子の変異が高頻度で認められていることがわかっています。この変異により、腫瘍の発症と進行が促進されるため、PIK3CAは新たな治療標的として注目されています。

承認申請に向けたデータ



海和製薬による今回の申請は、国際共同臨床第2相試験で得られた有効性および安全性に関するデータに基づいています。医療における革新を目指すとし、海和製薬のCEOである董 瑞平(ドン・ルイピン)医師は、この薬剤が全世界の希少ながん患者にとって大きな希望をもたらすことを期待しています。また、本年6月には厚生労働省より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)への指定も受けており、その重要性がさらに強調されています。

海和製薬のビジョン



海和製薬は、グローバルな視点から研究開発を推進する製薬企業であり、中国を拠点に革新的な医薬品の開発を行っています。これにより、世界中のがん患者に対して新たな治療選択肢を提供することを目指しています。日本法人としては、2021年に設立され、地元の患者さんの治療向上を目指し、新規医薬品の開発に注力しています。

リソバリシブの承認が実現すれば、卵巣明細胞癌が抱える治療の課題に新たな光を与えることとなります。今後の進展が注目されます。


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会社情報

会社名
海和製薬株式会社
住所
港区赤坂2-14-11 天翔オフィス赤坂403号室
電話番号
03-6441-0878

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