アクプランタの新たな挑戦
アクプランタ株式会社は、東京都文京区に本社を置くアグリバイオスタートアップ企業で、注目の農業資材「スキーポン」を開発しています。2023年の春、同社が運営する「鎌田圃場」において今季の作物栽培が本格的に始まり、特にジャガイモの栽培がスタートしました。
スキーポンによる農業革新
「スキーポン」は、酢酸の効果を基にした農業資材で、植物の乾燥や高温への耐性を強化する役割があります。この資材を利用することで、収量や品質を保ちながら節水を実現し、持続可能な農業に寄与しています。圃場では、複数のスキーポン処理方法を比較し、その効果や作物の生育の違いを観察しています。
特に今年は、ジャガイモが2月末に植えられ、育成状況を改善するためにスキーポンをさらに散布する計画も進められています。また、5月には新たにダイズも植える予定で、多様な作物の栽培を通じてさらなる研究を進めています。
新しいチームでの挑戦
さらに、今年からは圃場の運営メンバーが増え、主担当に元東京都立大学教授の小柴共一氏が就任しました。専門知識を持つ研究スタッフも新加入し、豊富な経験を生かして、5〜6人のチーム体制で作物栽培を行っています。実験室と圃場のデータを結びつけることで、知見の蓄積を目指し、科学的アプローチで農業の未来を切り開く試みです。
アクプランタの道のり
アクプランタは、2017年に金鍾明CEOが理化学研究所で発表した酢酸の応用により、農業資材の研究開発をスタートしました。以来、彼らは気候変動や農薬の使用削減といった現代の課題に対応した実証実験を、世界各国の農業試験場や農家、企業と連携して進めています。
国内外での活動が評価され、アグリテックグランプリの最優秀賞や日本経済新聞社主催イベントでの受賞など、多くの栄誉を受けています。
持続可能な未来へ
「スキーポン」の活用を通じて、アクプランタは持続可能な農業の実現を目指しています。急速に変化する気候条件の中で、農業の効率と持続可能性を両立させるための研究は、今後ますます重要になっていくでしょう。圃場での実験と成果が、未来の農業にどのように貢献するのか、これからの展開に期待が寄せられます。継続的な努力と革新によって、アクプランタは農業界において確固たる地位を築き続けるでしょう。