在宅勤務と空き家問題を解決する新たな試み
近年、在宅勤務が当たり前となり、働き方は大きく変わってきました。しかし、その一方で在宅勤務を行う人々にはさまざまな課題が浮上しています。子どもがいる家庭では、集中して仕事をする空間が不足し、私生活と仕事のメリハリをつけにくいなどの声が多く聞かれます。また、Wi-Fi環境や独立した仕事スペースの不足から、テレワークにおける孤独を感じる人も少なくありません。このような状況を受けて、株式会社MACオフィスは、「空き家×書斎×コミュニティ」をテーマにした新しいサービス『ご近所書斎』を2022年3月29日にオープンしました。
『ご近所書斎』とは?
『ご近所書斎』は、在宅勤務を行う人々に向けた新たな第三の居場所の提供を目的とし、全国的な空き家問題に対する解決策の一端を担おうとするサービスです。自宅でも職場でもない、新たなワークスペースとして空き家をリフォームし、利用者が安全かつ快適に働ける環境を整えました。このサービスは定額制の会員制で、利用者にとっての「安全安心な場所」を目指しています。
テレワークの新しい場所の必要性
2020年から始まったパンデミックによるテレワークが普及する中、実際に企業内で働いていた従業員らから、「家では集中できない」という不満の声が挙がってきました。たとえば、在宅勤務を開始したことで、家庭内の雑音や生活空間の煩わしさが気になるようになったり、オフィスでの人とのコミュニケーションがなくなり、孤独を感じることが多くなったりしました。これらの問題を解消するために、私たちが提案するのが『ご近所書斎』です。
空き家問題とその背景
日本における空き家問題は、少子高齢化や人口減少に伴い、深刻化しています。総務省のデータによると、2018年には全国で846万戸の空き家が確認され、空き家率は13.6%に達しました。これらの空き家は地域の治安の悪化や景観の低下、不法侵入の弊害などを引き起こす要因ともなります。特に東京都では約81万戸が空き家として放置されています。そこで、私たちはこうした空き家をリフォームし、地域のコミュニティと結びつけて新たな「場」を生み出す動きを推進しています。
働き方の新たなスタンダード
『ご近所書斎』は、働く場所の概念を変え、オフィスとも自宅とも異なる新たな働き方を提供します。この場では、自宅や職場以外の「第三の場所」でコミュニケーションを活発に行いながら安全に集中して仕事に取り組むことができるのです。それは、地域の人々同士が知り合い、刺激を受けながら仕事をすることで、自ずと生まれる新しい価値観や創造性につながります。
仙川書斎のオープンと反響
『ご近所書斎』の第一号である『仙川書斎』が、2022年3月29日に東京都調布市仙川駅から徒歩8分の場所にオープンしました。12SLDKをリフォームし、様々な目的に対応できる空間が整えられています。この先行的なモデルを支えるため、事前に行われた見学会には70名以上が参加し、参加者からは非常に好意的な反応を得ました。現在、会員数は90名を超え、サービスの展開は順調に進んでいます。
ご近所書斎の詳細
- - 所在地: 東京都世田谷区上祖師谷7-28-15
- - 月額料金: フリーアドレス席1万円、半個室書斎2万円、個室書斎3万円(いずれも予約制)
- - ホームページ: ご近所書斎
私たちは『ご近所書斎』の展開により、テレワークの新たなスタンダードを確立し、自らの働く環境をより最適なものにする手助けを続けて参ります。空き家を有効活用し、地域のコミュニティに貢献していくことが我々の目標です。