ソニー、水平8Kワイドアスペクト比のグローバルシャッターイメージセンサーを商品化
ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下、SSS)が、水平8K・有効約1,641万画素を有するワイドアスペクト比のグローバルシャッター方式CMOSイメージセンサー『IMX901』を商品化しました。本製品は、産業用途において広く使われているCマウントレンズに対応し、高画質と高速性能を両立することで、多様化する産業課題の解決に貢献します。
従来の課題を解決する画期的なイメージセンサー
近年、物流システムではベルトコンベア幅の拡張や高速化が進んでいます。このため、荷物のコードリーディングにおいて、撮像域の拡大と撮影性能・効率の向上が求められていました。従来、ベルトコンベア全体を画角に収めるためには複数のカメラが必要となり、システムのサイズアップやコスト増大が課題となっていました。
広い視野角と高画質を実現
『IMX901』は、水平8K・垂直2K画素による高精細でワイドな視野角を提供します。これにより、従来よりも少ないカメラでベルトコンベア全体をカバーすることが可能となり、システムの小型化とコスト削減を実現します。さらに、独自の画素構造によるグローバルシャッター技術Pregius S™を搭載することで、小型ながらも低ノイズで高画質、高速で歪みのない撮像を実現しました。
高速フレームレートと広いダイナミックレンジ
本製品は、70dBを超える広いダイナミックレンジを実現し、低照度環境でも高画質の画像を取得できます。また、134fpsの高速フレームレートにより、高速に動く物体も鮮明に捉えることができます。
多様なインターフェースに対応
『IMX901』は、SLVS-EC™、MIPI、SLVSに対応するなど、多様な出力インターフェースを搭載しています。SLVS-EC搭載で最大9.5Gbps/laneまで対応することで、高精細・高フレームレートでの撮像を実現します。レーン当たりのデータレートが高いため、データレーン数の削減が可能となり、FPGA(Field-Programmable Gate Array)の選択肢が広がります。さらに、産業用カメラでは一般的なSLVSインターフェースに加え、MIPIにも対応することで、ユーザーのニーズに合わせた幅広いカメラシステム構成に柔軟に対応できます。
幅広い用途で活躍
『IMX901』は、物流現場におけるベルトコンベア上のコードリーディングのほか、マシンビジョン検査、外観検査、セキュリティ監視など、様々な用途で活用が期待されています。
まとめ
ソニーが開発した水平8Kワイドアスペクト比のグローバルシャッターイメージセンサー『IMX901』は、高画質と高速性能を両立することで、産業用途の様々な課題解決に貢献する画期的な製品です。今後、この製品が様々な産業分野で活用され、社会の発展に貢献していくことが期待されます。