株式会社フェイガーの挑戦
株式会社フェイガーは、持続可能な農業とカーボンクレジットの生成を目指しています。2024年度に実施されるJAXAの陸域観測技術衛星2号『だいち2号』(ALOS-2)を利用し、農業分野での新しい取り組みをスタートさせました。この実証実験は、米の栽培における中干し期間の延長方法論に基づいており、具体的には秋田県大潟村と新潟県関川村で行われています。
実証の背景と目的
J-クレジット制度においては、特に水稲栽培におけるカーボンクレジット生成には、中干し期間を延長するための証明データが求められます。そこで、フェイガーでは農家が撮影した画像を基にして、独自のシステムでデータを蓄積。その中で、同時に地元パートナーによるモニタリングも交え、農業プロジェクトの信憑性を高めています。
本実証では、衛星データを駆使して水位のモニタリングを行い、地上に設置したセンサーとのデータ比較を通じて、衛星観測の有効性を評価。従来の地上測定法が抱える課題に対して、衛星を利用することでより正確かつ広範囲に情報を取得することが期待されます。特に、測定がリソース集約的であったり、測定者によって結果のばらつきが生じる点を解消する意義があります。
環境価値市場の創出へ向けて
このプロジェクトの目的は、J-クレジット創出に係る生産者の負担を軽減すること、そしてJAXAの衛星データを活用してクレジットの質を高めること。実証実験は2021年から続いており、今回の取り組みを通じて、日本の農業におけるカーボンクレジット生成に革命を起こすことを目指しています。
JAXA「だいち2号」とは
JAXAが運用する『だいち2号』は、地球表面の観測を行い、そのデータを様々な分野で利用できるようにしています。この衛星のアーカイブデータは、民間企業や自治体における利用を可能にし、農業分野でもその重要性を増しています。
今後の展望
フェイガーの取り組みは、持続可能な農業の未来を作るための重要な一歩として位置づけられています。カーボンクレジットの生成と販売を通じて、環境価値市場を創出し、農業体系を築こうとするフェイガーの挑戦は、多くの人々に影響を与えることでしょう。これからの農業の変革を担う新しいパートナーとして期待がかかります。