越境ECで日本の量産型ファッションが中国へ進出
越境EC事業が新たな潮流を迎える中、インアゴーラ株式会社が、中国市場に向けて日本のファッションブランドNOEMIE(ノエミー)の展開をスタートしました。特にZ世代をターゲットにしたこの取り組みは、現地消費者のニーズを捉えた戦略的なアプローチとして注目されています。
インアゴーラとNOEMIEの提携
東京都港区に本社を置くインアゴーラは、「ショッピングに国境はない」をスローガンに、日本の商品を中国に届ける越境ECプラットフォーム「豌豆(ワンドウ)」を展開しています。この度、愛知県名古屋市に本社を構えるNOEMIEと提携し、量産型や地雷系ファッションの本格展開を開始しました。
中国のZ世代へのアプローチ
インアゴーラとNOEMIEは2024年8月から協業を始め、2025年3月にはNOEMIEの小紅書アカウントの運営代行を行うことでテスト販売を実施しました。その結果、一定の認知度を獲得したことを受け、販売をさらに加速させる運びとなっています。
このプロジェクトは、特に中国の若者たちが自らのアイデンティティを重視し、個性的なファッションを求めていることを背景にしています。2020年代以降、量産型や地雷系ファッションが、日本の若者女性の間で急速に普及しているため、中国市場においても需要が高まると考えられています。
具体的な取り組み
SNSマーケティング
インアゴーラは、WeChat内でのユーザーグループ運営や、NOEMIEの公式アカウントの運営代行を通じて認知度を高めています。WeChatは、中国で最も利用されているソーシャルメディアアプリであり、ここでの情報交換やコミュニケーションは非常に重要です。
また、小紅書(Rednote)を活用し、ブランドショップのライブ配信を行うことで、リアルタイムでの消費活動も促進しています。これにより、Z世代に向けて、ファッションに対する興味を喚起していきます。
販売チャンネルの拡充
NOEMIEの商品は、WeChatミニプログラムやTmall国際でも販売されます。これにより、より多くの消費者にアプローチできる環境を構築しています。
アリババグループが運営するTmall国際では、越境ECでの購入がスムーズに行えるため、顧客にとって手軽な選択肢となります。
新たな消費動向の捉え方
中国のZ世代の消費行動は、経済の不安定さを背景に変化しており、合理的な選択を重視する傾向が見られます。彼らは、自分自身を満足させるための消費には積極的で、特にアニメやゲームなど、「二次元」関連の商品への需要が高まっています。このトレンドを捉えた上で、インアゴーラはNOEMIEを展開することで、新たな市場を切り拓こうとしています。
今後の展望
インアゴーラは、今後も多くの日本の商品を海外市場に紹介し、海外の消費者に対して日本の魅力を伝えていくことを目指しています。消費の中心を担う若い世代に向けて、日本のファッションとライフスタイルを楽しむ機会を提供し続けます。