馬産業の未来を支える胆振・日高地域の新たな連携
北海道の胆振・日高地域に位置する5つの自治体が、持続可能な馬産業の発展を目指して連携協定を締結しました。この協定は、安平町、浦河町、新ひだか町、苫小牧市、新冠町の5自治体と、国内最大のふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営しているトラストバンクとの協力によるものです。これにより、地域振興や観光課題の解決、馬産業の維持・発展に向けた取り組みが期待されています。
5自治体が結束した理由
胆振・日高地域は、国内軽種馬生産の9割以上を占め、日本最大の馬産地として知られています。しかし、一方で馬産業には様々な課題も存在しています。これには担い手不足や地域の魅力を適切に発信できていない問題、観光資源の形成の必要性が含まれます。このような背景から、5つの自治体はそれぞれの特色と資源を生かし、集中的に協力することでこの困難に挑もうとしています。
協定の主な内容
協定の締結により、以下の3つの重点分野が定められました。
1.
返礼品開発および寄附受付の推進:馬産業や地域課題の解決を目的とした効果的な寄付メニューを作成し、ふるさと納税を通じて地域経済の向上を図ります。
2.
観光振興と関係人口の拡大:乗馬や牧場体験などを通じて地域の魅力を発信し、新たな訪問者を呼び寄せることを目指します。
3.
まちづくりの推進:インフラ整備や教育支援、環境保全、地域医療の連携を進め、持続可能な地域づくりに貢献します。
これらの取り組みにより、地域資源の最大活用を果たし、馬産地胆振・日高を「世界に誇れる馬産地」として確立する計画です。
自治体の思い
各自治体のリーダーたちは、この連携協定を心から歓迎しています。安平町の及川町長は、「馬産業の中心地として連携を強化し、地域ブランド力を高めていく」とコメントしました。また、浦河町の池田町長は、歴史ある馬文化と共に地域を活性化させる意気込みを語りました。新ひだか町の大野町長は、軽種馬産業にかかわる課題解決を期待し、地域内での協力の重要性を述べました。
苫小牧市の金澤市長は、馬産業を核にした多面的な施策の実現に向けいち早く行動することを強調し、新冠町の山本町長も地域の多様な産業を活かした連携の意義を訴えました。トラストバンクの大井社長も、地域の特色を最大限に生かした取り組みを進めていく決意を表明しました。
期待される未来
この協定が実現することで、馬産業を支える新しい価値が創造されることが期待されています。また、地域経済の活性化へとつながり、住民生活の安定にも寄与することでしょう。5自治体が連携し、持続可能で活気のある地域づくりを推進していく姿が、今後の北海道における一つのモデルケースとなることが望まれます。持続可能な馬産業の更なる発展を通じて、胆振・日高地域が新たな魅力を持つ地域として輝き続けることを願っています。