モンゴルのONDO Spaceとispace、月面プログラム開発に向けた戦略的協業を発表
宇宙開発の新たな時代がやってきた。株式会社ispace(東京都中央区)と、モンゴルの宇宙ベンチャー企業ONDO Spaceが、月面プログラム開発に向けた戦略的な覚書を締結し、前進することを明らかにした。この協業は、11月28日にウランバートルで行われた「第11回 日本・モンゴル官民合同協議会」において、両社の代表によって署名された。これにより、両社は将来的に月周回軌道における運用を実証するプロジェクトを共同で推進することが期待されている。
ONDO Spaceは、2022年に設立されたモンゴルの宇宙技術企業で、衛星通信を提供することを使命としている。特に、ONDO Spaceは来年2024年3月にSpaceXのファルコン9ロケットを利用して、モンゴルでは初となる商業衛星の打ち上げを計画しており、併せて今年中に更なる10基のキューブサテライトの打ち上げを予定している。これらの取り組みを通じて、ONDO Spaceはミッションを展開し、2027年までに176基の衛星ネットワーク構築を目指す。
この提携において、ispaceはONDO Spaceが持つ低軌道の超小型衛星開発および地上局立設の技術を活用しつつ、月探査の関連ミッションを進めていく。具体的には、ispaceの未来のミッションにONDO Spaceが開発した超小型衛星を搭載し、打ち上げる検証を共同で行うことが含まれる。
ONDO SpaceのCEO、Namuun Bold氏は、「モンゴルの強みを活かし、月面やシスルナ空間の探査をispaceと共に推進できることを非常に嬉しく思います。これにより、モンゴルの宇宙開発能力が向上し、世界に影響を与える機会となります」とコメントしている。
また、ispaceの代表取締役CEO、袴田武史氏は、「この提携は日本とモンゴルの宇宙スタートアップ企業が共に宇宙の発展を進める新しい挑戦の第一歩です。この協業が、両国の官民連携を強化し、共に月ミッションに挑む日を楽しみにしています」と述べた。
ispaceは、月面資源開発や宇宙ビジネスの拡大を目指し、日米欧で活動する国際的な宇宙スタートアップ企業である。2010年に設立された同社は、グローバルに展開する宇宙開発ミッションを数多く手がけ、特に月探査に特化した事業を推進している。現在、約300名のスタッフがそのビジョンを実現するため日夜努力している。
この提携は、月面環境の探査や資源開発を進める上で大きな一歩となることが期待されており、次世代の宇宙開発に向けた新たな連携が注目を集めている。今後、宇宙ビジネスの拡がりとともに、モンゴルと日本の協力がどのように展開されていくのか、ますます目が離せなくなる。
このように、ispaceとONDO Spaceの協業が、未来の宇宙探査を一層期待に満ちたものとし、宇宙開発の新たな地域連携の可能性を広げていくに違いない。