ベトナムにおける石炭資源開発を支援するJOGMECの取り組み
日本の資源開発を担うJOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)は、2023年3月12日にベトナム石炭鉱物産業ホールディングス株式会社(VINACOMIN)との間で、石炭資源開発のための覚書(MOU)を締結しました。この合意により、両者は技術移転や共同調査事業を進める計画を策定しています。
ベトナムは、日本にとって重要な無煙炭の供給国の一つですが、国内エネルギー需要の高まりから、資源の輸入と自国生産の優先的利用へと方向性を変えています。そのため、深い鉱区での石炭採掘が必要となっており、日本が安定した供給を維持するためには、長期的な関係の構築とともに、これらの開発・探鉱活動が不可欠です。
技術移転と共同調査の枠組み
JOGMECは、これまでベトナムの石炭資源開発において技術移転事業と共同調査事業を通じて貢献してきました。今回のMOUは、2年間の技術移転事業の継続を約束するもので、首都ハノイで行われる運営委員会で今後の実施計画について合意されました。また、2025年12月までの共同調査事業についても、新たに調査内容が決定されています。
技術移転事業は、自国の採掘・保安技術を日本からベトナムに伝える活動であり、新型コロナウイルスの影響を受けつつも、実施を継続しています。これまでの成果として、2,566名の研修生が日本の炭鉱で研修を受け、171,803名がベトナムでの指導を受けています。
クアンニン炭田地域の重要性
共同調査事業は1998年から各地で行われており、クアンニン炭田地域はその中でも特に注目されています。この地域の調査は、これまで未確認であった無煙炭の賦存状況を明らかにすることを目的としています。クアンニン炭田は、ハノイから100キロメートルほどの位置にあり、広大な面積を有する鉱区です。インフラも整備されており、有望な石炭層が見つかれば開発に進める可能性が高まります。
このプロジェクトの進展により、JOGMECはVINACOMINとの関係を深め、我が国への無煙炭の安定供給に貢献することを目指しています。
今後の展望
運営委員会では、VINACOMINからJOGMECの継続的な協力に感謝が述べられ、今後も両国の協力を促進していく意向が表明されました。JOGMECは、このMOUを基にさらなるエネルギー・資源供給の安定化に向けた取り組みを強化していくとしています。
このように、ベトナムにおける石炭資源開発は、日本とベトナムの関係深化の一環として今後も注目されるテーマとなるでしょう。