埼玉県では、性的マイノリティを支援するために、メタバースを活用した相談窓口「にじいろ県民相談」を新たに開設しました。この取り組みは、特に心理的な抵抗感を抱える方々が気軽に相談できる環境を提供することを目的としています。
背景には、令和2年度の県民調査で明らかになった性的マイノリティに関する問題が存在しています。この調査によると、無作為抽出された県民の約3.3%が性的マイノリティに該当し、その内65.8%が自死の可能性を考えた経験があるとのこと。また、82.1%が不快な冗談やからかいを受けたことがあるという結果が示されました。このような現状から、より相談しやすい体制が必要とされています。
新たに始まった「にじいろ県民相談」では、埼玉県に在住・在学・在勤の方を対象に、性的指向や性自認に関する悩みについて相談が可能です。運営を担当するパーソルワークスデザインは、過去の相談から得たノウハウを生かし、電話やチャットでの専門的な対応を行っています。これまでに130件以上の相談が寄せられており、多くの方に利用されています。
さらに、心理的な抵抗感を考慮し、メタバースでの相談も導入されました。この相談は月に一度、アバターを使用して行われるため、顔を見せずに自由に心の内を打ち明けることが可能です。メタバース内での匿名性は、相談に対するハードルを下げることが期待されています。
相談は毎週土曜日の午後6時から9時30分まで行われており、相談内容は様々です。例えば、自分の性別に違和感を抱く、家族や友人の悩みを聞きたい、誰かに話を聞いてほしいといった内容が対象です。
相談方法には、電話、LINE、メタバースの3つがあり、すべて無料で利用できます。電話相談は0570-022-282へ、LINE相談は専用QRコードやURLからアクセスできます。また、メタバース相談は月1回の土曜日に行われ、その詳細は埼玉県の公式サイトで告知されます。
この取り組みは、埼玉県が求めている「多様性を尊重する共生社会の実現」に向けた重要な一歩です。多様な背景を持った人々が安心して生活できる社会づくりを、今後も推進していくことが期待されます。
以上の情報については、パーソルワークスデザインのBPO事業本部ヘルスケアソリューション部まで問い合わせが可能で、専門家によるサポートが受けられます。埼玉県が手掛けるこの新しい相談窓口を通じて、多くの人々が心のケアを受けられることを願っています。