全国初!今治市が推進するアクセルトレーニング
今治市が正式に「アクセルトレーニング」を導入し、全国初の官民連携プロジェクトとして注目を集めています。この取り組みは、脱炭素社会の実現を目指し、交通安全と環境保護を同時に進めるもので、市民や企業が協力する新たな試みです。
アクセルトレーニングとは?
アクセルトレーニングは、運転者が自動車の発進時に時速20㎞に到達するまでを5秒以上かけて行うという運転習慣を促すプログラムです。この方法により、急加速を避け、燃料の無駄遣いを減少させ、結果的にCO2排出量を削減していきます。
急発進や急加速を回避することで、燃料消費が抑えられるだけでなく、前方車両との車間を適切に保ちやすくなり、交通事故のリスクも減少します。このため、特に初心者や高齢者のドライバーにとって、アクセルトレーニングは環境にも優しく、安全運転を促進する効果的な方法になります。
実証実験から得られた成果
今治市の職員による自主研究グループが、令和5年11月に零カーボンシティ宣言を行った後、2024年の初めに実施した実証実験が注目されています。この実験には市職員8名が参加し、それぞれがアクセルトレーニングを実践した結果、5名において燃料消費とCO2排出量が最大6%削減されることが確認されました。さらに、参加者全員の安全運転に関する意識向上も見られ、行動変容を促す成果も得られています。
今治市が全職員にこのトレーニングを導入した場合、年間約200万円の燃料消費削減と、約27トンのCO2排出削減が見込まれるとの試算も発表されています。このトレーニングは、職員の安全を守るだけでなく、公共交通機関の運行にも良い影響を与えることが期待されているのです。
官民連携での脱炭素化と安全の促進
今治市は、四国ガスや東京海上日動火災保険との連携を通じて、より広範な市民へのアクセルトレーニングの普及を目指しています。これらの企業もこの取り組みに賛同し、各社の社用車にアクセルトレーナーを導入するなど、地域全体において脱炭素化と交通安全を推進していく方針です。
市長や企業の担当者たちは、今治市から全国の他の地域へと、このモデルを広めることで同様の取り組みが全国的に展開されることを期待しています。
市民参加の重要性
この取り組みには市民の参加が不可欠です。特に、企業と地方自治体との連携が一層強化されることにより、ドライバー一人ひとりが脱炭素社会の実現に向けて責任を感じ、行動を変えていくことが期待されます。また、アクセルトレーニングを通じて、自治体と企業とのwin-winの関係が構築されていくでしょう。
未来への展望
今治市の大胆な取り組みが成功すれば、他の地域でも類似のプログラムが導入される可能性が高まります。脱炭素社会の実現は、官民一体となった技術革新と市民の意識改革にかかっています。今後の展開に、ぜひ注目していきたいところです。