デザイナーの働き方変革を読み解く意識調査の結果公開
株式会社JDNが実施したデザイン職に関する意識調査が注目を浴びています。調査対象は20歳から69歳までの279人で、調査期間は2025年12月25日から2026年1月1日までの8日間。生成AIや多様な働き方が進展する中で、デザイナーたちのリアルな心情やキャリア観が浮き彫りになりました。
調査背景
デザイン業界は、AIの普及や働き方の多様化によって大きな変化を迎えています。この調査は、その変化に対する現場の意見を可視化し、デザイナーが持続的に活躍できる環境を整えることと、企業とのマッチングを促進することを目的としています。
調査結果の概要
価値観の逆転
調査結果では、年齢ごとの価値観の変化が明らかになりました。20代から40代にかけては、約半数が「給与水準」を重視する一方、50代以降は「仕事のやりがい」が重要視され、60代以上では80.0%がこの要素を挙げています。このことから、長く働き続けるためには年齢に応じた異なる動機が存在することが浮かび上がりました。
AIによる役割の変革
50代のデザイナーでは46.9%が「AIによって大きく変わる」と予測しており、20代の24.7%と比べてその感度の高さが目立ちます。特に経験豊富な層では、AIの進化に伴う職能の再定義が懸念されていることがうかがえます。
スキル習得のスタイル
世代によって、新しいスキルを身につける方法にも違いが見られます。20代から30代では4割以上がSNSや動画を利用して効率的に学んでいる一方で、50代以上では業務を通じた試行錯誤が主流となっています。このそのため、企業側は各世代に合わせたスキルアップの環境を整える必要があります。
40代のハイブリッド志向
興味深いことに、40代では「転職を考えていない」という層が3割を超えています。しかし、副業に関しては62.7%が関心を持っており、仕事の安定性を維持しながらも新たなチャレンジを求める傾向が浮かび上がります。これにより、社内での安定した立場に加え、副業を許容するような環境整備がカギとなるでしょう。
具体的な調査内容の詳細
Q1. 長く働き続けるために重要な要素
20代〜40代では「給与水準」を重視する傾向が高いですが、50代以降は「仕事のやりがい」にシフトしています。このように、長く働くための動機が年齢とともに報酬から自己実現へと変化していくことが明らかになりました。特に60代以上ではやりがいの重要度が80%に達する一方、給与水準の重視は20%に留まっているという顕著な違いが見受けられます。
Q2. AI普及による働き方の変化
AIの普及に関しては、全体の57.7%が「変わる」と回答しています。特に50代ではその傾向が強く、50代層の46.9%が「大きく変わる」と予想しており、若い世代に比べて過剰な反応を示しています。
Q3. AIによる役割の変化について
AIが普及することで、デザイナーの役割は「制作」から「選択・監修」へと移行するとの意見が寄せられています。この変化はクリエイティブな業務の上流工程や判断業務にシフトすることを示唆しています。
Q4. スキルの学習方法
新しいデザイン技術の習得方法についても世代別のトレンドがあります。20代〜30代がSNSや動画を使って学ぶのに対し、50代以上は業務内での試行錯誤を大切にしています。これが企業内での学習環境の構築に影響を与えるでしょう。
Q5. 転職意向
40代では「まったく考えていない」という層が33.9%に達し、腰を据えた働き方が顕著ですが、関心のある条件の中での転職意向は高めです。
Q6. 副業への興味
副業には全体で5割を超える関心があり、特に40代が高いことがわかります。一方、60代以上では約40%が「全く興味がない」という結果が出ており、世代間での意識の違いが見受けられます。
おわりに
本調査の結果からは、デザイン業界における世代間の意識の違いや、AIによる変化、働く環境に求める条件などが浮き彫りになりました。これらのデータは今後のデザイン業界の発展や職場環境の改善に活かされることが期待されています。デザイナーたちが持続的に活躍できる社会をつくるために、こうした意識調査は重要な役割を果たすことでしょう。