バーゼル銀行監督委員会が発表した気候関連金融リスクに関するフレームワーク

新たな気候関連金融リスクの枠組み

令和7年（2025年）6月13日、バーゼル銀行監督委員会は「気候関連金融リスクの任意開示の枠組み」を公表しました。この発表は、気候変動が金融システムに及ぼすリスクへの意識が高まる中、金融機関が透明性を保ちながらリスクを管理するための重要なステップと言えるでしょう。

バーゼル銀行監督委員会とは

バーゼル銀行監督委員会（BCBS）は、国際的な銀行規制を策定するための国際機関であり、各国の金融監督当局が集まって、銀行の安全性と健全性を確保するために活動しています。今回の発表も、こうした監督機関が国際的な協力に基づいて、気候関連リスクについての取り組みを強化することを目指したものです。

公表の背景

気候変動に関するリスクは、今や金融セクターが無視できない重要な要素となっています。特に、自然災害や規制変更、消費者の嗜好の変化などが金融機関に与える影響は多岐にわたり、その対策が急務とされています。バーゼル委が示したフレームワークは、金融機関がこれらのリスクをどのように開示し、管理していくかの指針を提供するものです。

開示の枠組み

新たに発表された枠組みには、定量的および定性的な開示様式が含まれています。これにより、金融機関は気候関連のリスクを具体的に数値化し、市場や投資家に対してそのリスクを適切に示すことが可能となります。この手法は、金融機関がどのように環境の変化に適応しているかを明示する助けとなり、透明性と信頼性を向上させます。

インパクトと今後の展望

前回の市中協議の結果を踏まえ、バーゼル委はこのフレームワークを最終化しました。今後は、他の気候関連開示枠組みや国際的に活動する銀行の状況についても注視し、必要に応じてこの開示枠組みの見直しを行うとしています。

これにより、国際的な資金の流れがより環境に配慮したものへとシフトすることが期待されます。投資家も、より環境に配慮した企業やプロジェクトに資金を振り向けることができるようになるでしょう。