岡山大学病院は、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社との共同研究で、Salesforce Health Cloudを活用した患者サポートプログラムを開発しました。このプログラムは、患者の治療への積極的な関与を高めることで、医療の質向上と効率化を実現することを目指しています。
近年、医療従事者の働き方改革が叫ばれる中、限られた時間内で患者に質の高い医療を提供するためには、外来診療から手術、入退院までを支援する「Patient Flow Management(PFM)」の構築が課題となっています。
従来、医療従事者は患者のセルフケア(運動、食事、服薬など)を積極的にサポートしてきましたが、個々の患者にかける時間が限られるため、医療サービス提供の効率化だけでは医療の質維持が難しい状況です。
そこで岡山大学病院は、患者が自身の治療計画を理解し、治療効果を最大化するための行動を実行できるように、Salesforce Health Cloudを活用した患者サポートプログラムを開発しました。
このプログラムは、最新の医療規制へのコンプライアンスを担保しながら、医療現場のニーズに合わせたカスタマイズが可能なソリューションとなっています。Salesforce Health Cloudを介して、医療従事者と患者双方に従来取得できなかった情報へのアクセスを提供し、診療フローの可視化と高度化を実現することで、患者の行動を最適化します。
導入によって期待される効果は次のとおりです。
1. 医療従事者の業務時間の削減
2. インシデント数の減少
3. 予定外再入院率の低下
現在、医療現場では高いレベルのリスクマネジメントが求められるため、局所的なワークフローが長年積み重ねられており、全体最適化された統合ケアの実現は容易ではありません。しかし、Salesforce Health Cloudの高い拡張性とカスタマイズ性を活用することで、このプログラムの実臨床への展開を目指しています。
岡山大学病院は、今後も患者中心の医療サービスを提供するため、最新のテクノロジーを活用した取り組みを進めていく予定です。