ソフトウェア開発の外注に関する実態調査
Overview
この度、株式会社STELAQが、ソフトウェア開発における外注利用について行った調査結果が発表されました。対象者は、直近2年以内に外注を活用したソフトウェア開発プロジェクトをリードした300名のビジネスパーソンです。この調査は、外注の工程や契約形態、AIの影響など多岐にわたっており、今後の開発プロジェクトにおける外注の利用傾向を浮き彫りにしています。
調査の背景と目的
近年、クラウド技術やSaaSの普及に伴い、ソフトウェア開発の外注がますます一般的になっています。しかし、外注先とのコミュニケーションや期待の不一致が問題となることも少なくありません。そのため、本調査は、外注をどのように活用し、どのような課題に直面しているのかを明らかにすることを目的としています。
外注利用の現状
調査結果によると、96.7%のプロジェクトリーダーが「開発・実装」を外注で行なっており、特に規模が大きくなるほど上流工程や運用にも外注を拡大していることが分かりました。小規模なプロジェクトでは主に「人手」としての外注が中心ですが、中規模・大規模プロジェクトでは「体制」としての外注が求めら政れています。このように、外注の範囲を明確にし、責任範囲などを事前に定めることが成功の鍵となります。
外注利用時の課題
外注に際して、多くのプロジェクトリーダーが直面している課題も明らかになりました。特に4つの問題、すなわち「品質のばらつき」「属人性」「社内育成の不足」「要件の理解の齟齬」が挙げられています。成功事例では、適切なコミュニケーションと定例会の実施が見られ、これが外注活用の成功に繋がっていることが示されました。
外注先の切り替え
注目すべきは、外注先を途中で切り替えた経験があると答えたプロジェクトリーダーが半数以上に上ることです。理由としては、小規模プロジェクトでは理解不足や人間関係のトラブルが多く、大規模プロジェクトでは納期遅延や体制不安が主な要因として挙げられました。これにより、スムーズなコミュニケーションが重要であることが浮き彫りになりました。
AIの影響
最後に、AI技術の進化に伴う外注利用についても調査が行われました。結果は意見が分かれており、外注利用が「増える」と考える人が多かった一方で「減る」と考える人もいました。特に、AIが苦手とする領域—要件定義や顧客対応など—は依然として重要であり、これらの仕事には人間の判断が不可欠であるとされています。
今後の展望
現在のAI活用状況を見ると、外注利用の重要性は高まる一方で、外注先を単なるベンダーではなく、共にプロジェクトを進めるパートナーとして捉えることが必要です。今後の外注活用では、上流から下流まで一体で設計できるパートナー選びがポイントとなり、AIツールを前提としたプロセス設計が求められるでしょう。
調査資料の詳細は
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