奈良市で日本初のAIと専門家による子育て相談実証実験開始

AIと専門家による新しい子育て相談

奈良市が日本で初めて、AIと専門家によるハイブリッドな子育て相談の実証実験を開始しました。運営主体はつながりAI株式会社で、協力するのは奈良市と認定NPO法人フローレンスです。このプロジェクトの大きな特徴は、従来の営業時間に制限されていた相談窓口が、AI技術を用いることで24時間365日いつでも利用可能になる点です。

近年、子育てを支援する行政の相談窓口は平日のみの対応が多く、働き盛りの世代にとっては相談しにくい環境が続いてきました。さらに、全国の自治体では相談員の数が不足し、対応の質にも不均一性が見受けられます。そこでつながりAIでは、これらの課題を解決する手段として「相談AI」を導入することを決めました。

相談AIとは？

「相談AI」は、生成AI技術を活用した住民からの相談に素早く応えられるシステムです。このAIは住民の悩みをしっかりと聴き、共感を持って対応します。また、AIが解決できないような複雑なケースについては、専門のソーシャルワーカーへとスムーズに引き継ぐ仕組みが整っています。そのことで、住民はより迅速に適切なサポートを受けることができるのです。

この実証実験における相談窓口は、AIによる初期対応を経た後、必要に応じてフローレンスのデジタル・ソーシャルワーカーが具体的なアドバイスや対応を行います。こうした二重の体制により、あらゆる悩みを持つ子育て世代に寄り添うことができるのです。

期待される成果と今後の展開

つながりAIは、この実証実験を成功させることで、奈良市だけにとどまらず、孤独や虐待、自殺予防などの他の課題へのAI相談サービスの展開も視野に入れています。この取り組みは、子育て支援を超えた幅広い社会的ニーズに応えるものであり、今後はさらなる自治体と連携していくことが期待されています。

実証実験自体は奈良市からの補助金などは受けておらず、すべてつながりAIとフローレンスの自主財源によるものです。

つながりAI株式会社の紹介

つながりAI株式会社は、社会課題の解決を目的にAI技術を駆使するスタートアップ企業です。従来の人間に頼る相談業務をAIに置き換えることで、効率的な相談支援サービスを提供しています。特に孤独感や孤立感を抱える人々のためのAIチャットサービスを開発し、誰もが気軽に相談や情報提供を受けられる環境を整えることに力を注いでいます。
最後に、この実証実験が成功すれば、全国の自治体との連携を通じてさらなる子育て支援が進むことを願っています。