東京工科大学とクレハの新たな研究契約
2026年8月から、東京工科大学(東京都八王子市)と株式会社クレハ(東京都中央区)との間で、航空機エンジンや発電用ガスタービンにおける高温構造部材として期待されるセラミックス基複合材料(CMC)に関する共同研究が開始されることが発表されました。この研究契約では、特に新たに開発される炭化ケイ素(SiC)繊維を用いたSiC/SiC複合材料に焦点が当てられています。
CMCとは何か?
CMC(Ceramic Matrix Composites)は、金属より軽量でありながら、高い耐熱性と強度を兼ね備えた先進的な材料です。その特性から、航空機エンジン、発電用ガスタービン、高温部材の要求に応えることが可能です。特にSiC繊維を強化材として用いたSiC/SiC複合材料は、次世代航空機エンジンの効率化や、CO₂排出削減に寄与する可能性が高いとされています。
共同研究の目的
本共同研究では、クレハが開発したSiC繊維を用いた複合材料を製作し、航空機エンジン等での高温構造部材への応用を見据えた評価を実施します。具体的には、力学特性や高温酸化環境下での耐久性など、実用性評価を行い技術基盤の強化に貢献します。これにより、より高効率な航空機エンジンの実現に向けた重要なステップが踏み出されます。
CMCセンターの役割
東京工科大学のCMCセンターは、2017年に設立され、航空、宇宙、発電、自動車など、幅広い分野でのCMCの研究開発を行っています。このセンターは、世界有数の産官学連携拠点として、多数の共同研究やプロジェクトを推進しています。クレハはSiC繊維の新規事業を進め、独自製造プロセスによる高品質化を目指しています。
未来の可能性
今回の共同研究が進められることで、高温構造材料が求められる市場への展開が期待されています。CMCは、壊れやすいという従来のセラミックスの課題を克服し、軽量かつ高耐熱性の特性を持ちます。これにより、次世代の航空機エンジンやエネルギー関連装置など、様々な分野における応用が見込まれ、国内外の競争力強化に寄与することが期待されています。
CMCセンターの進展
さらに、東京工科大学のCMCセンターは、2024年からアメリカの航空機エンジン業界の大手であるプラット・アンド・ホイットニーとの共同研究も計画しています。この取り組みを通じて、CMCの実用化に向けた技術革新がさらに進むことでしょう。研究成果は国内外における実用化を促進し、学術的な研究発表や論文発表にも貢献していくことでしょう。
このように、東京工科大学とクレハの共同研究により、航空機エンジンの新たな未来が開かれることが期待されています。