仙台市、救急医療DXを全市展開
2026年4月1日、仙台市はTXP Medical株式会社が提供する救急医療情報システム「NSER mobile」を活用し、市内全域の救急隊と医療機関間の患者情報共有を本格的に開始します。この新たな取り組みは市民への正式発表を経て、救急搬送時間の短縮や搬送困難事案の解消、さらにはエビデンスに基づいた政策立案(EBPM)の推進を目指しています。
取り組みの背景
2023年、仙台市消防局は救急車出動件数が過去最高の64,830件に達しました。この増加は、傷病者情報の聴取項目の増加や医療機関の受入体制の逼迫から生じる、医療機関への収容時間が延びるという課題が浮き彫りになっています。これまで仙台市では病院照会サポートシステムを運用するなどしてきましたが、さらなる改善を図るため、2024年8月から「NSER mobile」を活用した救急搬送の検証事業を実施しました。この結果、デジタル情報の共有による病院照会時間の短縮、および搬送を受け入れる医療機関における業務効率化が確認され、本導入が決定されたのです。
全市展開の概要
2026年4月1日より、仙台市内のすべての救急隊にiPadを使用したNSER mobileタブレット端末が配布され、27の医療機関においてデジタル情報受信体制が構築されます。この取り組みにより、従来の電話や紙帳票での運用がリアルタイムデータ連携へと変わります。これにより、患者の情報やバイタルサイン、画像、専門科の受け入れ可否などが共有され、救急搬送から治療までのプロセスがデータプラットフォーム上で管理されることになります。これらの革新は新たな社会基盤を構築し、単なる業務効率化にとどまらないことを目指しています。
期待される効果
1.
市民サービスの向上
救急活動時間の短縮により、迅速で適切な早期搬送が実現します。これにより、医療機関の受け入れ率も向上し、搬送困難な事案が減少することが期待されています。
2.
救急隊の業務効率化
記録票や消防OA報告書のデジタル化により、患者収容依頼も効率的に行えるようになります。
TXP Medical株式会社の自治体事業部長、大西裕氏は、「東北最大の都市である仙台市における救急DXの全市展開は、持続可能な救急医療体制の新たなスタンダードを示します。救急という公共性の高い領域での情報連携の社会基盤を確立する意義は大きい」と述べています。
「NSER mobile」とは
「NSER mobile」は、救急隊と医療機関間の従来のアナログ的連絡(電話や紙帳票)をデジタル化し、救急搬送プロセスの可視化と適正化を図るための統合プラットフォームです。事案情報の入力に加え、病歴やバイタルサイン、画像情報の共有も可能で、業務の一連をデジタルプラットフォームで管理し、EBPMを促進する機能を備えています。これによって、誰一人取り残さない救急医療の実現が図られます。
信頼性と実績
TXP Medicalの「NSER mobile」は、情報セキュリティ管理体制が国際的に認められており、必要な認証を取得しています。また、日本DX大賞やTokyo Social Innovation Tech Awardなどの受賞歴もあり、その信頼性は高いものです。
TXP Medical株式会社は「医療データで命を救う」というミッションを掲げ、救急医療に特化した次世代の医療インフラの構築を目指して活動しています。