日立が「EMilia」にAIを活用した新機能を追加
株式会社日立製作所とその関連企業である株式会社日立産業制御ソリューションズは、統合エネルギー・設備マネジメントサービス「EMilia」の機能を一新しました。新たに導入されたのは、工場やオフィスビル向けに特化したAI技術を利用したバッテリー充放電制御と空調計画の最適化ソリューションです。これにより、企業のエネルギー管理を効率化し、持続可能な事業活動を支援します。
AIによるバッテリー充放電制御
新しく提供されるバッテリー充放電制御ソリューションは、EV(電気自動車)や定置型蓄電池の効果的な運用を可能にします。この仕組みでは、AIが電力需要予測やEVの走行計画などのデータを分析し、必要な電力使用量を超えないよう自動的に最適な充放電計画を立案します。これにより企業は、電気を事前に蓄え、計画的に利用することができ、従来の方法よりも効率的にエネルギーを管理できます。同時に、非常時の防災対策やBCP(事業継続計画)に貢献するという二重の効果があります。
空調計画最適化の新機能
空調計画の最適化に関しては、AIは室外機一台一台の運転計画を立案します。このシステムは、リアルタイムでの電力の需要予測を行い、時間帯に応じた電力削減の優先順位に基づいてスケジュールを組むことで、運転コストを削減しながら空調性能を維持します。これにより、企業はコスト削減を実現しつつ、快適な環境を保つことが可能になります。
カーボンニュートラルの実現へ向けて
日立の新たな取り組みは、地球温暖化が進む現在、企業に求められるカーボンニュートラルへの道筋を示すものです。エネルギー価格の高騰や環境規制の強化が進む中、効率的なエネルギー利用やコスト削減の重要性は増すばかりです。日立グループは、このような背景に立ち、革新的なソリューションを提供し、顧客の電力使用量の削減を支援しています。この「EMilia」の実績により、工場、プラント、ビル、街区におけるエネルギー利用が最適化され、省エネはもちろん、グリーントランスフォーメーションにも貢献しています。
設備の見学と体験
また、日立産業制御ソリューションズの茨城本社にあたる日立市のショールームでは、両ソリューションの実際の利用状況を見学することができる機会もあります。新しい技術を実際に体感することで、企業のエネルギー管理がどれほど効率化されるのかを肌で感じることができます。
結論
日立と日立産業制御ソリューションズの新しい発表は、ただ単に新機能追加に留まらず、企業が直面している課題を解決するためのその第一歩でもあります。AI技術を駆使し、日立は持続可能な社会を実現すべく、今後も革新的なソリューションを展開していくことが期待されます。これからの企業のエネルギー管理にとって、EMiliaはますます重要な役割を果たすことでしょう。