新卒学生の意識調査から見える就職の実態
株式会社文化放送キャリアパートナーズが発表した『2026年卒ブンナビ学生調査』によると、2026年に卒業予定の学生たちの就職活動の意識が明らかになりました。この調査は、2025年4月の初旬に実施され、100件の有効回答が得られました。
就職先に対する志望度
学生が、第一志望となる企業を見極めるきっかけの一つには、インターンシップへの参加が挙げられ、その割合は26.0%に達しています。また、大学入学後から憧れていた企業が第一志望に選ばれるケースも17.0%存在し、過去の傾向と同様の比率となっています。しかし、会社説明会の影響は昨年と比較して大きく低下し、参加者の中で10.0%という結果になっています。
この変化は、企業の知名度や魅力、または学生自身の就職活動のスタイルからも影響を受けている可能性があります。
志望企業に求める条件
毎年の調査で明らかになっているのが、学生が就職先に重視している条件です。今年、その1位に選ばれたのは「給与」で、68.0%の学生がこの要素を重視していると回答しました。続いて「業種」が63.0%、そして「職種」が58.0%という結果です。この給与が重視される傾向は昨年よりもわずかに増加しています。これに対し、「海外で活躍できる」だとか、「学んできたことを活かせる」などの考え方は少しずつ減少傾向にあります。
エージェントや就活塾の利用状況
調査で興味深いのは、新卒採用エージェントサービスの利用実績です。50.0%の学生がこれまでにエージェントサービスを登録・利用した経験があると明かしました。このサービスは、面談、自己分析、面接対策などとして利用されていることが多いようです。
しかしながら、84.0%の学生が有料の就活塾や就活セミナーの利用を検討していないことが浮かび上がりました。これは、就職活動におけるコストに対する意識の変化や、情報取得の多様化を反映していると考えられます。
就職活動の現状
就職活動がまだ続いていると答えた学生は40.0%に留まっています。一方、すでに活動を終了したという学生は24.0%と増加傾向にあります。本選考のエントリー社数については、11〜20社が最も多く22.0%という結果でした。現在選考中の企業が0社である学生が39.0%で最多となっており、続いて2社の追う形です。
さらに、内々定をもらったことがある学生は6割を超えており、内々定が0社という学生は37.0%で若干減少しました。内々定した企業への入社意思は61.9%が「入社したい」と回答しており、こちらも昨年よりも増加傾向にあります。
まとめ
2026年卒の学生たちの就職意識は、給与や業種、職種に対する関心が高いことが浮き彫りとなりました。また、エージェントサービスの普及が進んでいる一方で、就活塾の利用は減少しているなど、新しい価値観が反映された結果となっています。今後の就職活動の進展が注目されます。