高齢者転倒リスク低減を目指すdo.Sukasuと奈良女子大学の共同研究
株式会社do.Sukasu(奈良県奈良市)は、国立大学法人奈良女子大学と共同研究契約を締結した。趣旨は、同社が開発した視覚認知トレーニングツールを用いて、健常高齢者における転倒リスクの改善効果を検証することにある。
高齢化社会における転倒の影響
日本は急速な高齢化社会を迎えており、高齢者の「転倒」は寝たきりや介護が必要な状態になる大きな要因だ。これまでは身体的アプローチ、すなわち筋力トレーニングや食事療法が中心となって転倒予防策が考えられてきた。しかし、実は視覚認知能力の低下も重大なリスク要因であることが近年の研究で明らかになっている。
do.Sukasuの取り組み
このような背景を踏まえ、do.Sukasuは視覚認知能力を意識したトレーニングシステム「de.Sukasu」を開発。今回の共同研究では、このシステムを用いて健常な高齢者に対するトレーニングを行い、その効果を科学的に検証することを目指す。
本プロジェクトの研究期間は2026年3月31日までを予定しており、国立大学法人奈良女子大学からは中田大貴教授が研究の全体監修を行い、大高千明専任講師が臨床研究の実施を主導する。
「de.Sukasu」の特徴
「de.Sukasu」は視覚認知に関するトータルソリューションであり、空間認知能力や物体認知能力を評価する各種ツールを含んでいる。具体的には、スマホや車載センサーを使った空間認知能力評価アプリやVRを活用したトレーニングシステムが提供され、ユーザーは自分の視覚認知能力を測定・向上させることができる。
これにより、高齢者がより安全に生活できる環境を整えることが期待されている。do.Sukasuは2026年度前半を目標に、視空間認知能力のアセスメントサービスとトレーニングサービスの事業化を見据えており、介護リスクの低減や医療費の抑制にも貢献する方針だ。
健康寿命の延伸へ向けた期待
本共同研究は、do.Sukasuにとって2件目のプロジェクトとなる。これまでの成果をもとに、今後さらなるエビデンスを蓄積し、高齢者の健康寿命を延ばす取り組みを進めていく意向だ。こうした努力が実を結ぶことで、高齢者がより豊かな生活を送れる社会の実現につながることを期待したい。
まとめ
高齢者の転倒リスク低減の新しいアプローチとして、視覚認知トレーニングが注目され始めている。do.Sukasuと奈良女子大学の共同研究による効果の検証が、さらなる社会課題解決につながることを願っている。その成果が生む新しい未来に期待が寄せられる。
参考リンク
高齢者におけるVRを利用した空間認知トレーニングの効果を検証
de.Sukasu公式サイト
Nara Women's University
株式会社do.Sukasu公式サイト