JR東日本、生成AIで業務変革を加速!全社員展開&内製開発へ
JR東日本グループは、グループ経営ビジョン「変革2027」のスピードアップを目指し、デジタル技術を活用した業務変革(DX)を積極的に推進しています。その一環として、生成AIの活用を本格化させ、2024年6月より全社員向けに生成AIチャットツールを展開しました。さらに、JR東日本独自の業務内容に回答できる生成AIシステムを内製で開発し、10月より全社向けに試験導入する予定です。
生成AIチャットツールの全社員展開
2023年10月より社内の一部部署で試用を開始した生成AIチャットツール「JRE AI Chat」は、社員からの質問に回答したり、必要な情報を提供したりすることで、業務効率化に貢献しました。全社員がタブレット端末を持ち、デジタルを活用した業務環境が整備されていることから、全社員への展開がスムーズに進められました。今後は、社内の利活用事例を収集し、更なる活用方法を検討することで、全社的な生成AI利活用による業務変革(DX)を実現していく予定です。
独自の業務内容に対応する生成AIシステムの開発
JR東日本独自の業務内容に対応するため、社内文書を基に回答を生成するRAG(Retrieval-Augmented Generation、検索拡張生成)を用いたシステムを開発しています。このシステムは、2023年11月より一部部署で試用を開始し、現在、アジャイル開発の手法で社内意見を反映しながら、2024年10月からの全社試験導入に向けて準備が進められています。本導入後は、社内規定やルールなどの文書の効率的な検索など、全社的な業務効率化に役立てられることが期待されています。
その他の取り組み
JR東日本は、生成AIを活用した業務効率化をさらに推進するため、以下の取り組みを進めています。
プログラムのコーディングへの生成AI活用: システムやアプリの内製化開発のスピードアップとエンジニア不足への対応を目指しています。
「鉄道版生成AI」の開発: 鉄道事業固有の情報を学習した生成AIを開発することで、より専門性の高い情報提供や業務効率化を図ります。
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コールセンター業務などへの生成AI導入: 当社グループで共通的な業務においても、生成AIを活用することで、顧客対応の質向上や業務効率化を目指します。
生成AIガバナンスの整備
JR東日本グループでは、生成AIの利活用に伴うリスクを理解し、安全かつ倫理的に利用するために、2023年11月に「JR東日本グループ 生成AI利活用ガイドライン」を策定しました。また、2024年3月には、生成AIを利用したシステム導入・開発の注意事項を追加した第2版を発行しました。
さらに、社内向け生成AIチャットツールには、独自の利活用ルールを定めて、生成AIのリスクを理解した上で利用できるようにしています。今後も、生成AI利活用の推進に必要なガバナンスの整備を継続的に実施していく予定です。
JR東日本は、「AIガバナンス協会」にも所属し、先進技術による業務変革(DX)とリスク管理の両立を目指しています。