阪神淡路大震災を語る小松実盛氏の胸中と家族の絆
2023年12月6日、文化放送の番組『長野智子アップデート』に登場したのは、SF作家の小松左京氏の次男であり、小松左京ライブラリ代表を務める小松実盛氏。彼は、阪神淡路大震災を経験した際の貴重な体験や、父との思い出を振り返りました。
阪神淡路大震災から30年を迎える来年、文化放送は「小松左京と阪神・淡路大震災」や「小松左京と日本沈没」というテーマを基に、特別番組の放送を予定しています。小松氏の作品が震災にどのような影響を与えたのか、その背景に迫ります。
実盛氏は、震災が発生した1995年1月17日の早朝、阪神高速道路の上にいました。彼は「アスファルトの道路があんなにグニャグニャに揺れるものかと」という言葉で、未だに目の前に焼き付いている記憶を語ります。その揺れがどのようなものであったか、具体的に体感したことは、彼の心に深く刻まれています。また、「道路灯がゆっくり揺らめくのが、いまだに目に浮かびます」と語り、当時の恐怖と驚きを伝えました。
さらに、倒壊した高架橋からは少し離れた場所を走っていたため、「もう通り過ぎていたので、道路が横倒しになっているというのはずいぶん後になって知りました」と、運の良さを感じたことも明かしました。もし、10分遅れていたら、自分もその惨劇に巻き込まれていたかもしれない。震災の影響を受けた人の一人でもある実盛氏は、運命の皮肉を感じずにはいられません。
小松実盛氏は、父・小松左京氏が『大震災95』を執筆した経緯についても語りました。「連載中に出来上がった原稿をいきなり持ってきて、『読め』と。生原稿を読めと言われたのは生まれて初めてのことで」と、その瞬間の驚きを思い返します。震災当日の描写が詳細に綴られていたその原稿は、まるでその場にいるかのような現実感を持ち、神戸が10秒間で一変する衝撃が目に浮かぶようでした。完成された作品を通じて、父の努力や情熱を実感し、「よく書けているだろう」という言葉には、自分の作品に対する誇りも感じられたといいます。
『大震災95』は、小松左京氏が取材を基にした作品であり、彼の文学が震災の恐怖やリアルな状況を描いていることが、この災害の影響を後世に伝えています。来年1月17日に放送される特別番組では、震災の記憶を再確認し、文学の力を再評価する機会となることでしょう。また、昨年末から放送された「小松左京クロニクル」の中から、千日事件をテーマにした『日本沈没を探す旅』のPodcast配信も予定されています。
このようなトピックを通じて、小松氏は震災の記憶を未来に伝える重要性を強く感じています。震災の教訓を忘れず、次の世代に引き継いでいくために、彼の活動は続きます。小松実盛氏の体験や父との絆は、文化放送を通じて多くの人々と分かち合われることになるでしょう。
番組『長野智子アップデート』の内容は、放送後7日間にわたり聴取可能です。興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください。
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