廃棄トマト活用の新提案
2025-07-04 15:07:32

廃棄トマトから生まれた『トマトカルトン』がSDGsを推進

廃棄トマトを再活用した『トマトカルトン』の誕生



近年、環境意識の高まりによりリサイクルやアップサイクルの重要性が注目されています。そんな中、神奈川県横浜市の株式会社MURONEは、廃棄トマトを有効に再利用した『トマトカルトン』を製作しました。この取り組みは、地域の農家から無償で提供されたトマトを使用し、SDGs(持続可能な開発目標)を推進するもので、注目を集めています。

『トマトカルトン』の概要



『トマトカルトン』は、JA横浜との連携により開発されたオリジナル商品の一つです。このカルトンには、横浜市内で発生した廃棄トマトが約40%含まれており、従来の製品と比較して約40%のプラスチック削減が実現されています。具体的には、1個あたり約3.7kgの廃棄トマトを使用し、加工後にはおよそ120gにまで減少します。この商品は無着色・無塗装で制作されており、環境への配慮がなされています。

この『トマトカルトン』は、令和5年6月2日から一部の金融機関の支店での使用が開始され、7月1日からはJA横浜が運営する農産物直売所『ハマッ子』でも取り扱われることになりました。これにより、商品化されることのない廃棄物を有効活用する形で、地元のビジネスとしても新たな価値を生む試みとなっています。

取り組みの目的



MURONEがこの取り組みを行う背景には、食べられない農産物を無駄にせず、新たな商品へと転換することで廃棄ロスを減少させる意図があります。すなわち、廃棄トマトをカルトンへと生まれ変わらせ、プラスチック使用量を削減することで、持続可能な社会の実現に寄与するという目的があります。この取り組みは、消費者にエコ意識を高めるとともに、地域農家の協力も得られ、Win-Winな関係を構築しています。

廃棄トマトの活用フロー



1. 集荷: JA横浜の職員が担い手農家から廃棄トマト(未熟果や落果など食用として利用できないもの)を集荷します。集められたトマトの総量は907kgにも達します。
2. 加工・製造: 株式会社MURONEが中心となり、廃棄トマトを水洗いし、腐っている部分をカット後、乾燥と粉砕を行います。
3. 商品化: 最終的に得られたトマトの粉は様々な形でカルトンへと加工され、最終製品として仕上げられます。

このように、廃棄トマトを全く新しい商品に生まれ変わらせるための工程が用意されています。MURONEは今後もJA横浜と協力し、持続可能な社会の実現を目指した取り組みを続けるとしています。

今後の展望



株式会社MURONEの代表取締役社長、室根貴之氏は「私たちは、これまでの加工技術を十分に活かし、JA横浜との共同作業を通じて、トマトを効果的にアップサイクルすることができました」と述べています。「今後も製造業の視点からSDGsへの取り組みを続け、新たな産業モデルを追求していきたいと思います。」

このように、『トマトカルトン』は、廃棄物の再生利用という観点から新たなビジネスチャンスを生み出すものとなるでしょう。地域社会においても、これを機にさらに多くのアップサイクル活動が広まることが期待されています。たとえば、他の野菜や果物を原料にした新商品の開発など、循環型経済を促進するきっかけになるかもしれません。地域農業と企業のコラボレーションによって、持続可能な未来を築く新たな試みから目が離せません。



画像1

会社情報

会社名
株式会社MURONE
住所
神奈川県横浜市鶴見区獅子ケ谷2丁目39番53号
電話番号
045-573-2932

トピックス(地域情報)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。