2025年秋以降、小田急グループ6社が運営する鉄道やバスで、クレジットカードやデビットカードによるタッチ決済サービスが拡大します。これは、江の島や鎌倉に加え、新たに箱根や大山でも利用可能になるものです。具体的には、小田急線、箱根登山電車、ケーブルカー、登山バスなどが対象となります。
すでに小田急グループは江ノ電や箱根ロープウェイ、海賊船で同様のタッチ決済を導入していますが、この秋からは新宿から観光地へのアクセスもスムーズにするため、より多くの駅や観光地でのサービスが予定されています。これにより、多くの観光客が日常的に使用するクレジットカードやデビットカードで公共交通機関を利用できるようになります。
特に、2025年4月には過去最高の390万人を超える外国人観光客が訪日しており、小田急沿線の観光地は年間5300万人以上の訪問者を受け入れています。こうしたインバウンド需要の拡大に対応するため、公共交通機関でのタッチ決済サービスの範囲を広げることは、非常に効果的な施策であるといえるでしょう。
小田急グループが今回導入するタッチ決済は、三井住友カードの「stera transit」を使用しており、ICカードへのチャージや切符の購入をせずにお手持ちのタッチ決済対応カードやスマートフォンで直接乗車が可能です。さらなる利便性向上が期待される中で、今後のサービス開始日や詳細についても随時発表される予定です。
これに続いて、小田急グループではQRコードによる認証機能も搭載し、デジタルチケットを利用した周遊も容易になります。2025年秋以降には、自動改札機や簡易改札機がQRコード認証に対応し、デジタルフリーパスでのスムーズな移動が可能となります。さらに、箱根、江の島、鎌倉、大山といった人気観光地へのアクセスがより便利になることが期待されます。
今回のタッチ決済サービスの拡大は、小田急グループと三井住友カードの協力によるもので、地域の観光課題の解決や、オーバーツーリズム対策にも寄与する見込みです。観光客が気軽に公共交通を利用できる環境を整えることで、さらなるインバウンド需要の増加に向けた対策も進めてまいります。
また、小田急グループではすでに江ノ電でのタッチ決済を2023年4月より導入し、箱根のロープウェイと海賊船でも2023年8月に同様のサービスを開始しました。このように段階的にサービスを拡充してきた背景には、観光市場の変化に迅速に応じる姿勢があります。
これにより、今後も小田急線を利用する国内外の観光客が増加し、その利便性が徐々に向上していくと期待されます。とくに観光地へのアクセスの良さは、旅行者にとって大きな魅力です。観光業界全体が進化するこの流れの中で、小田急グループが果たす役割は大きいものとなるでしょう。