教育現場の生成AI
2026-01-27 12:13:38

生成AIが教育現場で果たす役割とその可能性についての研究成果

生成AIと学校教育の関係を深掘りする



特定非営利活動法人「みんなのコード」から提供された「プログルラボ みんなで生成AIコース」の利用データを基に、生成AIと教育に関する大規模な研究が行われました。国立大学法人信州大学とペンシルバニア州立大学の共同研究チームが、17,418名の児童生徒と97名の教員のデータを分析し、その結果を日本教育工学会で発表しています。この研究が示す生成AIの活用方法は、教育現場で注目を集めているテーマです。

研究の背景と目的



この研究は、国内最大規模の生成AI利用ログを通じて、学校における生成AIの実態を横断的に調査し、教育的効果や安全性の観点から細かく分析されたものです。生成AIの利活用が進む一方で、その実態に関する大規模データを用いた研究は少なく、これにより現場での生成AIの効果的な活用方法を提案しています。

生成AIの活用:短期 vs 長期



本研究では、生成AIの利用が短期的か長期的かによって、児童生徒のプロンプトに質的な違いが生じることが確認されました。短期利用では主に「翻訳」「要約」「単語検索」といった機能確認が中心となり、生成AIの利用が単なるツールとしての役割を果たしています。一方、長期利用では「自分の作文への批評依頼」や「意見交換」といった、対話を意識したプロンプトが多く観察されます。このことは、生成AIが単なる道具から、児童生徒の学びを支える「学びのパートナー」となる可能性を示唆しています。

情報活用能力と生成AIの正の相関



教員へのアンケート調査も交えて分析したところ、生徒の「情報活用能力」が高いクラスは、生成AIの活用度がより高いことが確認されました。このことから、児童生徒に生成AIの操作スキルを教えるだけでなく、探究心を育む「情報活用能力」の改善が生成AIの効果的な利用につながることが示されています。この結果は、教育現場で生成AIを取り入れる際の重要なポイントとなるでしょう。

有害コンテンツのリスクについて



興味深いことに、55万件のログの中で、有害コンテンツとしての検出率はわずか0.37%に留まりました。大半は小学生の誤記や文脈による誤認が原因であり、本研究は教員による適切な指導と見守りのもとであれば、生成AIの利用リスクは管理可能であることを示しました。

研究者たちの見解



本研究に関わった研究者たちは、生成AIが教育現場でどのように役立つかについての考察を述べています。信州大学の佐藤和紀准教授は、「情報活用能力」と「継続利用」の重要性を強調し、この研究が生成AIを単なるツールから学びのパートナーに変える可能性を感じ取っています。また、ペンシルバニア州立大学の井手絢絵氏は、初等教育における生成AIの活用の質にばらつきがある現状を背景に、効果的な導入法を模索しています。

まとめ



この研究は、生成AIが教育現場でどのように活用されるべきかの重要な知見を提供しています。生成AIは、教員の支援のもと、児童生徒が主体的に学ぶ場を創出する可能性を秘めています。今後の教育実践において、生成AIを学びの一部として捉え、佐藤准教授らが期待する具体的な実践が進んでいくことを期待します。


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