賃貸物件の鍵管理調査
2023-04-19 13:00:02
賃貸物件の鍵管理、セキュリティ対策は大丈夫? 全宅管理がアンケート調査を実施
賃貸物件の鍵管理、セキュリティ対策は大丈夫? 全宅管理がアンケート調査を実施
近年、賃貸物件の空室が犯罪に利用される事例が増加しており、管理業者にとって鍵管理の重要性はますます高まっている。一般社団法人全国賃貸不動産管理業協会(全宅管理)は、会員を対象に「管理物件の鍵(マスターキー)の保管・取扱に関するアンケート」を実施し、その結果を公表した。
調査によると、管理物件の鍵(マスターキー)を自社で保管している管理業者は9割を超えているものの、「トラブルは一度もない」と回答した割合は約8割にとどまった。つまり、鍵管理に関するトラブルは決して少なくないことがわかる。さらに、今後鍵を管理業者で保管したいと回答した割合は7割まで低下しており、管理業者における鍵管理業務の負担や責任の大きさを示唆している。
空室時の鍵管理方法については、7割以上の管理業者が現地キーボックスを用いていることがわかった。しかし、キーボックスの暗証番号については、変更していないケースも見受けられ、過去には特殊詐欺に悪用された事例も存在する。全宅管理は、このような犯罪から物件と入居者を保護するため、改めて鍵管理ルールの見直しや対応の強化を呼びかけている。
キーボックス等の暗証番号の伝達方法については、電話による伝達が最も多いという結果が出た。知り合いの業者であれば直接伝えているケースも多いが、初めての業者に対しては、事前にFAX等で名刺を交換するなど、本人確認を徹底する業者もいる。全宅管理は、この業務においてもITを活用することで効率化を図るべきだと提言している。
一方、自社で鍵を保管していない管理業者に対して「不便なことは?」と質問したところ、約7割が「不便なことはない」と回答した。これは、鍵の預かりに関する意識が変化し、管理業者への委託が一般的になりつつあることを示している。
全宅管理会長の佐々木正勝氏は、「私たちは貸主の大切な資産をお預かりしている。最近、賃貸物件の空室が犯罪に利用される事例が増えてきており、鍵管理を含め、社内ルールの確立と徹底が不可欠である。貸主、借主への周知と協力体制を整えることで、犯罪に利用されにくい物件が増えていくと考えている。警察庁はじめ関係省庁とも引き続き情報を共有し、賃貸物件さらには地域で安心して暮らせる社会を実現するために、住む人に寄り添い続けていく。」とコメントしている。
今回のアンケート調査結果は、賃貸物件の鍵管理におけるセキュリティ対策の重要性を改めて浮き彫りにしたと言える。管理業者は、最新の犯罪手法やセキュリティ対策に関する情報収集を継続し、より安全な鍵管理体制を構築していく必要があるだろう。
会社情報
- 会社名
-
一般社団法人 全国賃貸不動産管理業協会
- 住所
- 東京都千代田区岩本町2-6-3全宅連会館5階
- 電話番号
-
03-3865-7031