タカヤの新技術がもたらす検査の未来
タカヤ株式会社は、2023年に超高速検査を実現する新モデル「APT-T400Jシリーズ」を発表しました。このフライングプローブテスタは、基板のあらゆる不良を確実に検出するための技術を搭載しています。このモデルは、従来の高精度なプロービング技術を継承しつつ、導入しやすい価格帯を実現したスタンダードモデルとして位置づけられています。
開発の背景
最近の電子機器の高密度化や多機能化に伴い、基板の検査に求められる精度と信頼性はかつてないほど高まっています。しかし同時に、製造業界では人手不足とコスト削減の課題も顕在化しています。このような背景から、タカヤはフライングプローブテストという長年の技術をベースに、より多様な製造環境に適応できるスタンダードモデル「APT-T400Jシリーズ」を開発しました。
この新モデルは、各種技術を駆使して検査の信頼性と効率を向上させることを目指しています。導入のハードルを下げることで、より幅広い製造現場での活用が期待されています。
主な特長
ハードウェア
このモデルは、4ヘッド・6フライングプローブを使用し、高密度部品間や上向きコネクタへのアクセス性を大幅に向上させています。これにより、不良の検出能力も向上。
全てのフライングヘッドには、小型の測定ユニットを内蔵。微小なインピーダンスやキャパシタンスを高精度で測定できるシステムです。
効率的なサーボモーターと自社開発の制御ソフトを搭載し、高速かつ安定した検査を実現しました。
19段階の降下スピード制御を導入。基板の状態に応じた最適な接触が可能。
特殊形状の基板にも対応できるように、段取り時間を短縮する分割式クランプ機構を採用。
この機能により、IC内部から微小信号を検出し、リード浮きやBGA未接合不良も発見。
外観検査にはCCDカメラとLED照明を使用。部品の有無、ズレ、極性、色の検出を行い、バーコードや2次元コードの情報も読み取り、検査データと紐づけて保存が可能です。
自動搬送システムにより、最速で40m/minの連続検査が実現。
ソフトウェア
自社開発のソフトウェアにより、ガーディング自動設定やカラー画像上での操作が可能。これにより、プログラムの生成支援などが行えます。
ODB++や各社CADフォーマットからの自動生成に対応し、作業効率を向上させます。
商品概要
「APT-T400J」シリーズは、オフラインとインラインの2つのモデルがあり、いずれも多様な製品に対応しています。オフラインモデルでは4軸、インラインモデルでも同様に4軸の検査が可能です。検査可能なサイズは、50×50mmから540×483mmとなっています。
販売開始と展示会情報
新型の「APT-T400Jシリーズ」は、2025年12月より日本国内で販売される予定です。また、国内初出展となる「APT-T400J-A」は、2026年1月21日から23日まで東京ビッグサイトで開催されるインターネプコン ジャパンで展示されます。
会社概要
タカヤ株式会社は、1918年に設立された企業で、織物業を起源とし、電子機器部門への展開を経て、現在はフライングプローブテスタの開発・販売を行っています。強固な基盤を持つ同社は、業界のリーダーとしての地位を確立し続けています。