ENEOSが低炭素ガソリン開発を始動
ENEOS株式会社は、自動車業界における次世代燃料として注目されるエタノール混合ガソリンの開発実証を開始しました。その名も「ENEOSスーパー耐久シリーズ2025」。
エタノール混合ガソリンの意義
この新しい低炭素ガソリンは、植物由来のエタノールを使用し、環境負荷を軽減することを目指しています。具体的には、トウモロコシやサトウキビから得られるグルコースを発酵させることで製造されるバイオエタノールと、草本系植物や古紙から得られるセルロースを原料としています。これらの植物は成長過程で大気中のCO2を吸収するため、従来の化石燃料よりも排出される炭素の量が少なくなります。
ENEOSは、低炭素燃料の導入に向けた環境整備を官民協力で進めており、2025年2月には第7次エネルギー基本計画も閣議決定されています。これは、国を挙げてのカーボンニュートラル社会実現への意欲を示しており、ENEOSもその一翼を担っています。
開発実証のスケジュールとパートナー
この実証プログラムは、トヨタ自動車、SUBARU、日産、マツダなど、業界の主要メーカーと連携する形で進められています。富士スピードウェイにおいて行われた会見には、各社の技術開発の最高責任者たちが集まり、プロジェクトの概要が発表されました。
実証の中心となるのは、エタノール20%を混合したガソリン「E20」です。この燃料は、現行のガソリンと同等の性能を持ちながら、カーボンを大幅に削減できる可能性を秘めています。ENEOSはこれまで蓄積してきた燃料技術の知見を駆使して、このE20の品質向上に努めていきます。
未来へ向けたステップ
ENEOSは「今日のあたり前を支え、明日のあたり前をリードする」という理念のもと、エネルギー供給の安定性とカーボンニュートラルの実現を両立させるための取り組みに注力しています。今後は、低炭素燃料技術の発展に向けた研究を進め、業界全体でのエネルギートランジションを推進していく方針です。
おわりに
ENEOSが始めたこの低炭素ガソリンの実証は、環境問題に対する意識の高まりと、持続可能な社会に向けた一歩です。自動車メーカーとのコラボレーションを通じて、私たちの未来におけるエネルギーの形を変える可能性を秘めているこの取り組みから目が離せません。持続可能な社会の実現に向けた更なる進展が期待されます。