新作エッセイ『身体がますます分からなくなる』とは
2024年7月20日、株式会社大和書房より小鷹研理著のエッセイ、『身体がますます分からなくなる』が発売される。この一冊は、からだに潜む不確かさや理解されにくい錯覚について深掘りし、読者に新たな知識や考察を提供することを目的としている。
著者の小鷹氏は、名古屋市立大学の准教授であり、心理学や認知科学において数々の賞を受賞してきた実力派の研究者だ。彼が追求するのは「からだとは何か」という根本的な問い。エッセイでは、数々の錯覚実験が紹介され、その実験を通じて見えてくる身体の不思議に迫る。
エッセイの内容概要
本書は、以下の4つの章から構成されている。
第1章:どうしても思い出せない左手のこと
この章では、両腕を奪われたディフェンダーの視点から、左手にまつわる錯覚や感覚の不思議を語る。顔触を奪われた経験がどのように私たちのアイデンティティに影響を与えるのか、興味深い考察が 펼れられる。
第2章:誕生日が1日ズレた自分を想像する
誕生日を含む数字の不思議を解明し、偶数と奇数への親しみや感情がどのように形成されるのかを考える。この章では、数の持つ豊潤な連想世界を切り口に独自の視点が 담かれ、一般的な認識とは異なる深淵な世界へと誘う。
第3章:20秒間でシャッターを1回だけ押す
生きているもののリズムをテーマにしたこの章では、集団心理がどのように影響を及ぼすのかを実験を通じて探求。自由意志の表れ方や、集団が緊張をどう突破するのかが興味深く語られる。
第4章:半地下のラバーファミリー錯覚
家庭や社会との関わりを考察し、他者との出会いや自身のアイデンティティがどのように交差するかを深掘り。この章では「におい」が持つ宇宙的な意味をも示唆し、体験したことのない概念へと読者を誘う。
読後感としての「分からなさ」
本書を手に取ることで、著者が形作る「身体とは何か」という難解な問いに直面することになるだろう。 読者は、「一冊読むことでからだについて知識を深められるかもしれない」と期待を寄せる。しかし、その実体験を通じて得られるのは、「なんだかますます分からなくなってきた」と感じる奇妙な感覚である。著者の独自の視点がどのようにこの分からなさを与えるのか、ぜひ体験してみてほしい。
このエッセイは、身体に対する理解を深め、日常生活の中で気づかないさまざまな錯覚を見直す絶好の機会を提供する。無意識のうちに持っていた身体のイメージを一新し、読者自身が新たな気づきを得られることを目的としている。
最後に、身体の不思議を探るための一冊として、ぜひ手に取ってみてほしい。私たち自身の身体について考えさせられる内容は、貴方の知的好奇心を大いに膨らませることでしょう。